DESIGN
京都で、東アジアの作家を招いた茶器の展覧会。
September 28, 2020 | Design | casabrutus.com | text_Yuka Uchida
京都・鷹峯にある工芸店〈tonoto〉にて、アジアの作家を招いた急須をはじめとする茶器の展覧会がスタート。暖かいお茶が恋しくなる季節に、一生ものの急須を探しに出かけてみては?
アジアのお茶文化を映し出す、個性豊かな急須。
中国、韓国、台湾、そして日本。東アジアの国々で、それぞれ独自に発展していったお茶文化。その時間に欠かせない茶器の中でも、とくに「急須」に着目した展覧会が、京都・北区のはずれ、鷹峯にある工芸展店〈tonoto〉でスタートした。
参加するのは国の異なる4人の作家。台湾からは、どこか彫刻的な美しさのある茶器をつくるウー・ウェイ・チャン。中国からは、プリミティブな印象の陶器を焼くウェイ・チェン。韓国からは、愛らしい絵付けにファンが多いカン・ヨンジュン。そして、日本からは常滑で作陶する伊藤雅風が参加。伊藤は急須コレクターでもあり、佇まいの美しさだけでなく、使いやすい形、大きさが考え抜かれている。
参加するのは国の異なる4人の作家。台湾からは、どこか彫刻的な美しさのある茶器をつくるウー・ウェイ・チャン。中国からは、プリミティブな印象の陶器を焼くウェイ・チェン。韓国からは、愛らしい絵付けにファンが多いカン・ヨンジュン。そして、日本からは常滑で作陶する伊藤雅風が参加。伊藤は急須コレクターでもあり、佇まいの美しさだけでなく、使いやすい形、大きさが考え抜かれている。
作家の個性を写す、それぞれの黒。
今回のために焼かれた急須は、ほとんどが「黒」。例えば伊藤雅風の急須は黒泥急須と呼ばれ、常滑の代表的な朱泥急須をさらにいぶし、マットな黒に仕上げている。ざらりとした手触りが心地よいのはウェイ・チェンの急須。カン・ヨンジュンの急須は象嵌で描く絵付けが黒の質感を際立たせている。用途は同じでも、ここまで佇まいが変わるのかと面白い。
作家ものの急須がこれだけ揃うのも珍しいこと。ワンテーマの展覧会だからこそ、自分の理想にぴたりとあった、一生ものの急須に出会えるはずだ。
作家ものの急須がこれだけ揃うのも珍しいこと。ワンテーマの展覧会だからこそ、自分の理想にぴたりとあった、一生ものの急須に出会えるはずだ。