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国際芸術祭「あいち2025」のテーマは「灰と薔薇のあいまに」。灰と薔薇の間をアートで探る、アートが探る。
| Art, Architecture, Design | PR | text_Toshie Oowa editor_Keiko Kusano
3年ごとに開催され、今年で6回目を数える国際芸術祭が、この秋、愛知で開催。名古屋市や窯業地・瀬戸の文化施設のほか、瀬戸市のまちなかで、多彩なプログラムが79日間にわたって展開される。
すべてが灰と化した第3次中東戦争後のアラブの街に立ちながら、詩人アドニスが嘆きとともに詠んだ詩の一篇「灰と薔薇のあいまに」。今年の国際芸術祭「あいち2025」のテーマにこのフレーズを掲げた芸術監督のフール・アル・カシミは、「灰か薔薇かの極端な二項対立も、両者の間の究極の境界線も選ばないことにしました」と話す。彼女はアラブ首長国連邦の出身だ。戦争/希望の両極ではなく、その間にある私たちの環境の極端な状態を受け止めること。そしてその環境と人間との関係を見つめ直し、「これまでとは別の、土地に根差した固有の組み合わせを掘り起こしたい」と彼女は続けるが、ここでいう土地とは、”わたし”を含むあまねく人々が生まれ、生きる地を指すのだろう。だとすると、どこかの地域に偏ったり、どこかだけが抜け落ちたりすることなく、世界から届く声に満遍なく耳を澄ます必要がある。
そんな思いが反映されてか、「あいち2025」のアーティストラインナップを見ると、アジア、中東、アフリカ、中南米と、国籍の多様さに気がつく。これまでありがちだった欧米偏重の視点から外れた世界から、一体何が届き、どんな景色を見せてくれるのか……参加作家とその作品を概観してみよう。
そんな思いが反映されてか、「あいち2025」のアーティストラインナップを見ると、アジア、中東、アフリカ、中南米と、国籍の多様さに気がつく。これまでありがちだった欧米偏重の視点から外れた世界から、一体何が届き、どんな景色を見せてくれるのか……参加作家とその作品を概観してみよう。
●バゼル・アッバス&ルアン・アブ=ラーメ|拠点:米国、パレスチナ
ニコシア(キプロス)と米国に生まれたアーティスト2人。その取り組みは、サウンド、映像、文章、インスタレーション、パフォーマンスなど、さまざまな分野にわたる。共通するのは、既存の素材や自作の素材をサンプリングし、まったく新しい「台本」に再構築するというアプローチ。世界各地で作品を発表し、今まさに注目されている2人は、「あいち2025」では現代美術のみならずパフォーミングアーツにも参加する予定だ。
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