ARCHITECTURE
〈旧岩崎邸庭園〉で、舘鼻則孝のディレクションによる江戸の技と現代アートが出合う。
| Architecture, Art, Design | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
重要文化財〈旧岩崎邸庭園〉で舘鼻則孝と東京の伝統の技がコラボレーション! 工芸とアートの粋がオンラインで楽しめます。
2016年から始まった「江戸東京きらりプロジェクト」は”Old Meets New"、新旧の出合いをコンセプトに、伝統の匠の技を活かした工芸品や食にスポットをあてる取り組みだ。2021年、《ヒールレスシューズ》で知られる舘鼻則孝を展覧会ディレクターに迎えて『江戸東京リシンク展』が開かれた。これは「Rethink」を冠にした展示を行ってきた舘鼻が「江戸東京きらりプロジェクト」に選定された伝統の技とコラボレーションし、作品として結実させるというものだ。コロナ禍のため2回目となる今回も、昨年同様、オンライン展示での開催となった。
今回のオンライン展示の撮影場所は都内の中心部とは思えないゆったりとした庭のある〈旧岩崎邸庭園〉だ。岩崎彌太郎の長男で三菱第三代社長となった久彌の本邸で、迎賓館として使われた洋館と私邸だった和館が接続しているという少し変わった建物になっている。別棟として、当時、紳士のたしなみとされたビリヤードを楽しむ撞球室がある。洋館と撞球室は、明治時代、イギリスから招聘されたジョサイア・コンドルの設計によるもの。英国ジャコビアン様式を基調にした洋館と、スイスの山小屋ふうの撞球室との対比も面白い。
オンライン展示ではこの洋館と和館、撞球室に作品が並ぶ様子を舘鼻の解説とともに楽しめる。今回のコラボレーション相手は8つの事業者。乾くと玉虫色に発色する紅「小町紅」を作っている「伊勢半本店」、浮世絵の伝統を守る江戸木版画「高橋工房」、江戸切子の「華硝」、江戸木目込人形「松崎人形」などとのコラボレーションが《ヒールレスシューズ》や太鼓などの作品となった。
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