DESIGN
奈良、数百年の伝統を日常に。 皆川 明が愛用品の産地を訪ねました。
『カーサ ブルータス』2021年7月号より
June 9, 2021 | Design | casabrutus.com | photo_Norio Kidera text_Masae Wako
大好きな生活道具が、どんな土地で生まれるのかを知りたい。 そう話す〈ミナ ペルホネン〉の皆川 明は古都・奈良へ。 地場産業の「蚊帳生地」と「竹」にまつわるものづくりを訪ねました。※こちらではCasa BRUTUS 2021年7月号より「蚊帳生地」のページを公開します。
「使えば使うほどふわふわになるんですよ」
〈ミナ ペルホネン〉のデザイナー、皆川 明の一言から始まった奈良への旅。まず訪れたのは〈白雪〉の工場だ。皆川も愛用するそのふきんは、雪のような白さが長く続くことから名がついた。1枚わずか数百円。毎日ガンガン使う料理店でも1年もつほどタフ。一方で、東大寺のお水取りや国宝盧舎那仏(奈良の大仏さま)のお身拭いなど、由緒ある行事にも毎年献納されている。
〈ミナ ペルホネン〉のデザイナー、皆川 明の一言から始まった奈良への旅。まず訪れたのは〈白雪〉の工場だ。皆川も愛用するそのふきんは、雪のような白さが長く続くことから名がついた。1枚わずか数百円。毎日ガンガン使う料理店でも1年もつほどタフ。一方で、東大寺のお水取りや国宝盧舎那仏(奈良の大仏さま)のお身拭いなど、由緒ある行事にも毎年献納されている。
その原形が「蚊帳」だと教えてくれたのは代表の垣谷欣司さん。
「かつては日本中の家庭で使われた蚊帳ですが、昭和30~40年代に需要が減ってしまった。そんな頃、蚊帳生地業に携わっていた祖母が、生地のハギレを重ねて縫ってふきんにして、周りの人に配り始めたんです。これが大好評で商品化。1965年のことでした」
「かつては日本中の家庭で使われた蚊帳ですが、昭和30~40年代に需要が減ってしまった。そんな頃、蚊帳生地業に携わっていた祖母が、生地のハギレを重ねて縫ってふきんにして、周りの人に配り始めたんです。これが大好評で商品化。1965年のことでした」
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