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文化と自然、2つの要素を表現する〈イソップ〉の新店舗が鎌倉に。
『カーサ ブルータス』2024年5月号より
April 5, 2024 | Architecture, Design, Fashion | PR | photo_Images courtesy of Aesop (Photography by Norihito Yamauchi) text_Masae Wako
オーストラリア発のスキンケアブランド〈イソップ〉の路面店が、古都・鎌倉にオープン。空間デザインは〈シンプリシティ〉の緒方慎一郎。海や山がもたらす自然と、鎌倉文士らが育んだ美意識を表現した。
■ 自然を表す白い空間と文化を象徴する木の空間。
オーストラリア発のスキンケアブランド〈イソップ〉の新店舗が鎌倉にオープンした。場所は鶴岡八幡宮の参道へ続く大通り沿い。
時がゆるやかに流れる古都・鎌倉に店舗を開きたい。数年前からそう切望していたと話すのは〈イソップ〉のマリアンヌ・ラーディル。世界20か国にあるストアのデザインを統括する責任者だ。
「店舗作りで重要なのは、その町で暮らす人の日常になじみ、町を愛する方々に喜びを還元できる場を作ること。そのためには、土地の風土や記憶をデザインに生かすことが大切だと考えています」
この価値観を共有しながら空間を手がけたのが、緒方慎一郎率いる〈シンプリシティ〉。鎌倉幕府が置かれた土地の歴史をひもとき、戦前戦後の芸術家たちが愛した町の文化を掘り下げた緒方は、「鎌倉の自然が生む開放感」と「文士たちが集う知的空間」という要素をデザインのテーマにした。
「この2つを融合させるのではなく、パキッと対比させました。まず鎌倉の自然を表したのが白い空間です。三方を山に囲まれ南側が海に開けた鎌倉は、山から海へと風が吹き抜ける土地。そこで、表通りだけでなく裏通り側にも開口部を作り、床にはゆるやかな高低差をつけました。中央には階段状のシンクを設置。水や風が流れる空間にすることで、自然の中を散策するように商品を見て回れる店になればと思ったんです」
時がゆるやかに流れる古都・鎌倉に店舗を開きたい。数年前からそう切望していたと話すのは〈イソップ〉のマリアンヌ・ラーディル。世界20か国にあるストアのデザインを統括する責任者だ。
「店舗作りで重要なのは、その町で暮らす人の日常になじみ、町を愛する方々に喜びを還元できる場を作ること。そのためには、土地の風土や記憶をデザインに生かすことが大切だと考えています」
この価値観を共有しながら空間を手がけたのが、緒方慎一郎率いる〈シンプリシティ〉。鎌倉幕府が置かれた土地の歴史をひもとき、戦前戦後の芸術家たちが愛した町の文化を掘り下げた緒方は、「鎌倉の自然が生む開放感」と「文士たちが集う知的空間」という要素をデザインのテーマにした。
「この2つを融合させるのではなく、パキッと対比させました。まず鎌倉の自然を表したのが白い空間です。三方を山に囲まれ南側が海に開けた鎌倉は、山から海へと風が吹き抜ける土地。そこで、表通りだけでなく裏通り側にも開口部を作り、床にはゆるやかな高低差をつけました。中央には階段状のシンクを設置。水や風が流れる空間にすることで、自然の中を散策するように商品を見て回れる店になればと思ったんです」
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