世界遺産の美術館へ。決定後初の展覧会の楽しみ方を教えます! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

世界遺産の美術館へ。決定後初の展覧会の楽しみ方を教えます!

祝「世界遺産」決定! その〈国立西洋美術館〉で現在開催中の企画展が『聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画』。細かい線でびっしりと描かれた宗教画から、くすっと笑える男女の機微までが並ぶ。じっくり見たい版画や工芸をご紹介します。

世界遺産登録が決まってますます注目を集める〈国立西洋美術館〉。『聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画』はここで開催されています。 photo_Tetsuya Ito
フランスの〈ロンシャンの礼拝堂〉など7か国、17施設が「ル・コルビュジエの建築作品」として世界遺産に登録される。大陸をまたいで複数の物件が登録されるのは初めてのこと。〈国立西洋美術館〉はル・コルビュジエが日本に唯一残した建築だ。
イスラエル・ファン・メッケネム《メッケネムと妻イダの肖像》(エングレーヴィング)。夫婦のダブルポートレイトは当時まだ珍しかった。メッケネムが新しい表現を積極的に取り入れていたことがわかる。 大英博物館(c)The Trustees of the British Museum
『聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画』は世界遺産登録後に初めて開かれる展覧会ということになる。15世紀後半から16世紀初頭のドイツで活躍した銅版画家、イスラエル・ファン・メッケネムの作品を中心に工芸なども含めて約100点が並ぶ。メッケネムの版画はどれも1点ものだ。当時は1つの版で100枚程度刷られたと思われるが、残っているものは少ない。また近年、発行されたカタログ・レゾネ(全作品リスト)には約500点が収録されているが、実際はもっと多かったと思われる。

メッケネムは銅版画家として大きな成功を収めた。40代のころ、街の中心に家を構えていたとの記録が残っている。また彼の没後2年後に出された書籍には「ヨーロッパ中で人気」と書かれている。メッケネムの銅版画に色をつけたものなども残っているが、彩色されたのは約100年後のことだ。刷られてから1世紀たっても彼の銅版画が大切にされていた証だ。