光や霧とコラボする、オラファー・エリアソン。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

光や霧とコラボする、オラファー・エリアソン。

アイスランド系デンマーク人のアーティスト、オラファー・エリアソンが日本の美術館では10年ぶりの個展を開催。近年、彼が大きな関心を抱いているエコロジーについて新しい側面を見せてくれます。3月中旬にオンラインで行ったオラファーへのインタビューとともに、ひと足先に会場の様子をご覧ください。

《太陽の中心への探査》2017年。美術館の中庭に置かれたソーラーパネルからの電力でオブジェと光が動く。
《太陽の中心への探査》2017年。この世界を構築する幾何学や光を通じて、太陽の存在を感じることができる。
1967年、コペンハーゲン生まれのアーティスト、オラファー・エリアソン。光や影、水や霧といった形のないものを素材にしたアートで人気だ。〈東京都現代美術館〉で開かれる『ときに川は橋となる』は、日本の美術館では10年ぶりの個展。私たちが直面している気候変動などの問題をテーマにしている。
《ビューティー》1993年。霧状の水に投影した光が虹のように見える。中を通り抜けることもできる。
展覧会タイトルの『ときに川は橋となる』は見えないものを見えるようにすることだという。

「川は、よく詩などにも書かれるように、命や時間の象徴ととらえられることがある。一方、橋は外面を現す。人生には深い意味がある。答えを特定の方向に見出そうと固執せずに、自分自身の人生を見ること、自分の内面を見ることが大切なんだ」(オラファー・エリアソン)
《ときに川は橋となる》2020年。円形の部屋の壁に揺らぐ月のようなイメージが映し出される。
《ときに川は橋となる》2020年。波が砕けて月のような形がぼやけることも。
展覧会の題名は、この個展で初公開となる新作のタイトル《ときに川は橋となる》にもなっている。観客が円形の暗い部屋の中に入って体験できるインスタレーションだ。丸いスクリーンの上のほうには満ち欠けする月のような円形の光が並んでいる。“月”は常に揺らめいていて、ときおり水面に映った満月のようにゆらゆらと動いたり、煙のように形を変えたりする。
《ときに川は橋となる》部分(床に置かれた小さなプール)。2020年。プールに反射した光が壁に投影される。
種明かしは床に置かれた円盤状の小さなプールだ。そのプールにスポットライトがあたっている。その反射がスクリーンに映し出されて、水のゆらぎにあわせて光も揺れ動く。

「水の流れは古くから潜在意識や精神性などを意味する。水は炎と同じようにはかない、形がないものだから人々は自らの思いをそこに込めることができる。《ときに川は橋となる》では水面の反射という二次元の現象が円形の構造物に投影されて、三次元に転換される。そういった空間の中に入るという体験をしてもらいたいと思った。水やその反射そのものを味わってもらいたいから、円形の構造物はできるだけ意識されないようにしている」(オラファー・エリアソン)

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます