あの人のうつわとレシピ|松浦弥太郎|1930年代の〈アラビア〉の皿とシーザーサラダ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

あの人のうつわとレシピ|松浦弥太郎|1930年代の〈アラビア〉の皿とシーザーサラダ。

『カーサ ブルータス』2020年5月号より

料理家や料理上手のクリエイターが大切にしているうつわ。そんなとっておきの一枚に合うとっておきの料理を、エッセイスト・クリエイティブディレクターの松浦弥太郎さんに教えてもらいました。

定番サラダをいちばん素敵に見せる、北欧ヴィンテージのオーバル皿。

アラビアのオーバルプレート フィンランドの陶器ブランド〈アラビア〉で1930年代につくられたヴィンテージオーバル皿。高台の裏には製造年代を表す此煙突マーク頃が捺されている。「北欧の家庭で毎日使われていたような素朴さに惹かれました。厚手で安心感のあるうつわが好みです」。日本で購入。48×35×深さ3.5cm。
素朴だけれど品のいい〈アラビア〉。
高台裏には1930年代製の証である煙突マーク。
「うつわが大きいと、盛る時も食べる時も安心できる。安心感は料理やもてなしの基本だと思いません?」

衣食住にまつわる著書も多い松浦さんのお気に入りは、北欧〈アラビア〉の、1930年代に焼かれたオーバル皿。ぽってり、とろんとなめらかで、長さは50cm近く。

料理は簡単でシンプルなものが好き。とりわけシーザーサラダに愛着があって、サンフランシスコの人気店〈ZUNI CAFÉ〉のトラディショナルなレシピをよくつくる。

「ロメインレタス1枚1枚に手で丁寧にドレッシングを塗り、大きな葉のまま大きな皿に並べます。うつわは余白も大事。白いリムにチーズがこぼれかかっているのがおいしそうでしょう。この組み合わせを発見したのが僕の自慢」
「来客時は大皿でもてなします。みんなが喜んでくれる気がして」
仕上げはパルミジャーノをたっぷり。
そのレタスを銘々の皿に取り、ナイフ&フォークでひと口大にサクッと切る。まんべんなく味が絡んだ青い葉とドレッシング染み染みクルトン、すべてのひと口が、いちいちキレイでいい味わい。

「おいしさとは親切なこと。親切とは食べやすくて美しいこと。“見てくれは悪いけどおいしい” なんてことはないですよ。料理は、それをいちばん素敵に見せるうつわに盛って完成するのだから」
材料(4〜5人分)
ロメインレタス…200g
クルトン(パン…60g、オリーブオイル…15ml、塩…少々)
[ドレッシング] 
  A(にんにく…5g、アンチョビ…5枚)
  B(赤ワインビネガー…8g、卵…1個、塩…1g)
  EXVオリーブオイル…80ml
  C(パルミジャーノチーズ…50g、黒コショウ…少々)
  仕上げ用チーズ…適量
  黒コショウ…少々

1 レタスは葉を1枚ずつはがして冷水で洗う。ペーパータオルで水分を拭きとり冷蔵庫へ。
2 クルトン:パンは1.5〜2cm角にカット。オリーブオイルを塗り、塩を振って170度のオーブンで8分焼く。
3 ドレッシング:みじん切りしたAとBをボウルに入れ、オリーブオイルを少しずつ注いで乳化させる。Cを加える。
4 別の大きなボウルにレタスを入れ、1枚1枚に3を塗る。クルトンを入れてよく混ぜる。皿に盛りチーズと黒コショウを振る。
サラダに欠かせない3点。右/「漆の合鹿椀(ごうろくわん)にポテサラや豆腐サラダ。すごく合うんです。この組み合わせを発見したのも僕の自慢」。輪島の名塗師・角偉三郎の作。中/〈アラビア〉の片口はボウルとして使う。「シーザーサラダは大きなボウルの中でしっかり和えるのがコツ。眺めて美しいうつわを道具として使う贅沢です」。長径37×高さ13.5cm。1930年代製。左/ステンレスを叩いて成形した皿は、鉄のフライパンで人気の成田理俊。「簡単なサラダもこれに盛ると素敵になる。魔法の皿」

松浦弥太郎

まつうらやたろう 1965年生まれ。『暮しの手帖』編集長を9年間務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。『DEAN & DELUCA MAGAZINE』編集長。様々なブランドのプランニングなどでも活躍。少年時代のファースト料理体験は卵焼き。「今も卵を焼く時は緊張します」。近著は『家庭料理100のきほん』。

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