FOOD
〈新広東菜 嘉禅〉で広東料理の “今” を食べる。
| Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
香港、シンガポール、東京で腕とセンスを磨いた料理長、簗田圭。銀座の〈新広東菜 嘉禅〉には広東料理の “今” が詰まっている。
約10年前の熱狂的な四川料理ブームの後、やってきたのは日本の食材や器をミックスさせた和中華の流行。そこに待ったをかける料理人が現れた。
「自分は王道の広東料理をやっていきたいんです。それも香港やシンガポールで食べられているような、今の広東料理を東京で広めたくて」
「自分は王道の広東料理をやっていきたいんです。それも香港やシンガポールで食べられているような、今の広東料理を東京で広めたくて」
〈新広東菜 嘉禅〉料理長、簗田圭は岩手生まれ。調理師学校を卒業後、北京へ飛び、現地のホテルで特一級厨師という中国で最高ランクの国家資格をもつシェフに弟子入り。その後は、東京では〈中国飯店〉や同グループ〈富麗華〉、〈マンダリン オリエンタル〉勤務時代は東京と香港で、またシンガポール〈マリーナベイサンズ〉など、名門で経験を積んできた。広東料理界のエリートである。
その作風は? 黒鮑の煮込みに、フランスの贅沢食材を代表するフォアグラのソテーを合わせ、海老と野菜の炒め物にはイタリアでは松茸的存在の高級キノコ、ポルチーニ茸を使用。かなり攻めたスタイルでは?
「いえ、香港やシンガポールではいいレストランが洋の高級食材を使うのは当たり前。広東料理の最前線はこんな感じなんですよ」
時流を取り入れつつ、伝統的技法によってしっかり広東らしさを出してもいる。油多めの本土の料理と異なり、素材の香りを生かす。また、旨みを抽出したスープ、湯(タン)を重んじる。金華ハムや丸鷄、豚、牛などからとる透明な上湯(シャンタン)、鴨でとる濃厚な白湯(パイタン)に魚介のスープ、ポルチーニやモリーユ茸、袋茸、干し椎茸を蒸してとるキノコのスープなど、常備するスープは4種類。それらを料理ごとに使い分け、広東ならではの芳醇なコクをつくっている。
「いえ、香港やシンガポールではいいレストランが洋の高級食材を使うのは当たり前。広東料理の最前線はこんな感じなんですよ」
時流を取り入れつつ、伝統的技法によってしっかり広東らしさを出してもいる。油多めの本土の料理と異なり、素材の香りを生かす。また、旨みを抽出したスープ、湯(タン)を重んじる。金華ハムや丸鷄、豚、牛などからとる透明な上湯(シャンタン)、鴨でとる濃厚な白湯(パイタン)に魚介のスープ、ポルチーニやモリーユ茸、袋茸、干し椎茸を蒸してとるキノコのスープなど、常備するスープは4種類。それらを料理ごとに使い分け、広東ならではの芳醇なコクをつくっている。
広東料理のもうひとつの醍醐味、点心類にも力を注ぐ。金魚の形の海鮮餃子や真っ黒な皮に包まれたトリュフの蒸し餃子など、見た目も楽しい点心は香港出身の点心師によるつくりたて。湯気の立つ状態で口へと運ぶひとときを堪能してほしい。
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