CULTURE
デヴィッド・バーンが歌って踊りまくる、話題のミュージカルって?
『カーサ ブルータス』2020年1月号より
| Culture | a wall newspaper | photo_Matthew Murphy text_Mika Yoshida & David G. Imber special thanks to Maira Kalman and Susanne Tighe
「観た?」「観た!」と大人気のブロードウェイ・ショー『デヴィッド・バーンのアメリカン・ユートピア』。バーン本人に話を聞きました。
その名も『デヴィッド・バーンのアメリカン・ユートピア』。トーキング・ヘッズ時代のアノ曲から、ソロ時代の名曲まで計22曲! バーンが歌って踊って語りを聞かせる、休憩なしの100分間。10月のスタート以来、ミュージカルに興味のないロックファン、トーキング・ヘッズなど知らないミュージカルファンの両方を魅了してやまないという、珍現象(?)を巻き起こしている。
この舞台はコンサートのいわゆる “ミュージカル化“ ではなく、バーン流のロック・スペクタクル。大がかりなセットはなく照明もシンプルで、楽器を抱えた11人のバックミュージシャンとバーンだけ。全員、バーンのトレードマークである灰色スーツで登場し、足元はなんと裸足!?
舞台は極限までミニマムだが、選り抜きの超一流パフォーマーたちによって最高に豊かなステージが展開する。1983年の大ヒット「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」では老いも若きも総立ちで踊りまくって大合唱。
この舞台はコンサートのいわゆる “ミュージカル化“ ではなく、バーン流のロック・スペクタクル。大がかりなセットはなく照明もシンプルで、楽器を抱えた11人のバックミュージシャンとバーンだけ。全員、バーンのトレードマークである灰色スーツで登場し、足元はなんと裸足!?
舞台は極限までミニマムだが、選り抜きの超一流パフォーマーたちによって最高に豊かなステージが展開する。1983年の大ヒット「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」では老いも若きも総立ちで踊りまくって大合唱。
バーンのステージと言えば、ジョナサン・デミが監督したライブ映画の金字塔『ストップ・メイキング・センス』を思い出す人も多いはず。からっぽのステージにラジカセやメンバーが徐々に加わって巨大ライブを「構築」する過程を見せたあの映画に対し、この『アメリカン・ユートピア』は「最小限にまでそぎ落としたステージへの挑戦」とバーンは語る。
「シンプルなものこそ難しい、客をだませないから」とも。4か月にわたりほぼ連日、全力疾走中のバーンがこう話してくれた。
「ミュージカルそのものは、以前ファットボーイ・スリムと作ったアルバムを元に手がけたことがある。でも今回はコンサートをミュージカルの文脈に取り込むという挑戦をしたかった。1つのストーリーとしてステージを次第に膨らませたくても、コンサートでやると観客はじれったがる。が、ミュージカルの客ならうまく受けとめる。曲の合間にナマの語りをはさむことで、心に響く一連の流れが生じるね。ちょっとした問いを私が投げかけ、曲が始まる。その曲を味わいながら客が心の中で “答え“ に出会えるようにしてあるんだよ」
「シンプルなものこそ難しい、客をだませないから」とも。4か月にわたりほぼ連日、全力疾走中のバーンがこう話してくれた。
「ミュージカルそのものは、以前ファットボーイ・スリムと作ったアルバムを元に手がけたことがある。でも今回はコンサートをミュージカルの文脈に取り込むという挑戦をしたかった。1つのストーリーとしてステージを次第に膨らませたくても、コンサートでやると観客はじれったがる。が、ミュージカルの客ならうまく受けとめる。曲の合間にナマの語りをはさむことで、心に響く一連の流れが生じるね。ちょっとした問いを私が投げかけ、曲が始まる。その曲を味わいながら客が心の中で “答え“ に出会えるようにしてあるんだよ」
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