【特別連載】皆川 明の旅の日記 #3

6月、北欧に出かけたミナ ペルホネンデザイナー皆川 明が、旅の合間に見つけたあれこれを綴ります。

6月19日

3日目。
もうずいぶん前に来たような不思議な時間が流れています。昨夜は夕食抜きでしたので早く寝て朝早く目覚め、4時半頃に起きて洗濯したり本を読んだりして6時からジョギングに行きました。

少し森の方へ入ると、湖面には蓮がきれいに浮かんでいたり昨日とは違う景色に会いました。その写真を撮ったときにホテルのカードを落としていたらしく、結局見つけるためにもう一周して、体も温まりお腹ぺこぺこで朝食一番乗りでした。


ご飯の後で絵柄を描き始めたのですがあえなく1個目大失敗! 
気を取り直し散歩に出ました。さっき鍵を落とした蓮の池が気になってもう一度来てみたらとても美しくて見入ってしまいました。鳥の鳴き声がいく種類もあって可愛らしくこんな鳥の鳴き声も絵にできるんじゃないかと思いました。

今日はギャラリーをゆっくりと周ろうと思います。
お昼を食べて少し散歩をした後フィンランドの現代アートを見に行きました。とてもユニークでした。僕が現代アートに出会ったのも初めての北欧の旅でした。フィンランドのアテネウム美術館でアクリルに入ったゴミが飾ってあって、それを見たときとても自然な美しさを感じたのを覚えています。

その後スウェーデンへ行きニキドサンファルの彫刻を見て、イヴ クラインもそのとき知りました。今日は久しぶりに心がザワザワ楽しくなりました。ニットでできたおじさんは本当に人が座ってるのかと思いました。仕事のアイデアももらいました。


その後はのんびりコーヒーと日向ぼっこしています。何もしていないことが今の僕には一番新鮮な時間です。この時間で浮かんでくること、感じることを観察してみます。
夕食は先ほど見たギャラリーのキュレーターさんと取ることにしました。この旅は突然と偶然を取り込んでいきます。

夕方に立ち寄ったカフェには僕だけでしたが、やけに多い椅子がきれいでした。
夕方5時。もう人は殆ど歩いていません。

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皆川 明

みながわあきら 〈ミナ ペルホネン〉デザイナー。1995年にブランドを設立。生地から手がける服は独特の世界観をもつ。近年では家具、食器、インテリアファブリックなどのデザインも手がけ、活動の幅を広げている。2016年には青山にライフスタイルショップ〈call〉、2017年には代官山に素材を売る店〈マテリアリ〉、金沢に町家を改装した〈ミナ ペルホネン金沢店〉など新店も続々。著書多数。本誌からも書籍『今日のまかない』特別編集ムック『ミナ ペルホネンと皆川 明』を発刊。