DESIGN
94歳の染色家、柚木沙弥郎がパリの老舗工房イデムとコラボ。
November 11, 2016 | Design | a wall newspaper | photo_Norio Kidera (idem) text_Chizuru Atsuta editor_Yuka Uchida
染色家・柚木沙弥郎とパリの老舗リトグラフ工房のイデムがコラボレーション。瑞々しい感性と熟練技の美しい競演です!
コラボレーションと聞けば、才能や技術に長けたもの同士から生まれる、組み合わせの妙を期待する。そういう意味で94歳の染色家・柚木沙弥郎と、前身が1世紀以上の歴史を誇るパリのリトグラフ工房イデムというレジェンド同士のコラボレーションは、一見の価値があるものだ。企画はインテリアショップの〈イデー〉。日常の中で楽しむアートをテーマに制作を依頼し、実現した。
柚木は染色工芸家・芹沢銈介を師匠に持つ、日本における型染の第一人者。現在も現役で活動を続けるアーティストだ。一方、1997年創業のイデムは、前身の工房で使われていた鋳鉄の印刷機をそのまま受け継ぐ。ピカソ、マティス、シャガール、ブラック、ミロといった巨匠から、現在ではデイヴィッド・リンチや森山大道などの現代作家まで各国のアーティストを魅了してきた工房だ。
柚木はこう話す。「日本では、リトグラフは原画の複製と考えられがちだけど、実は違う。熟練の職人の手によって一枚一枚調整が加えられ、新たに制作されるもの。版というメディアを通すことで、作家性は間接的なものになる。いわばアートの共同作業ですね」
実際に工房では、4人の職人が付きっきりで細かく色や版をチェックしながら制作していく。
「複数の人の手を介することで、結果的に一人の力では作れないものが生まれるのが面白い」
作家の感性と職人の技が織り成す必見のコラボレーション。そんな醍醐味をこの目で確かめたい。
柚木は染色工芸家・芹沢銈介を師匠に持つ、日本における型染の第一人者。現在も現役で活動を続けるアーティストだ。一方、1997年創業のイデムは、前身の工房で使われていた鋳鉄の印刷機をそのまま受け継ぐ。ピカソ、マティス、シャガール、ブラック、ミロといった巨匠から、現在ではデイヴィッド・リンチや森山大道などの現代作家まで各国のアーティストを魅了してきた工房だ。
柚木はこう話す。「日本では、リトグラフは原画の複製と考えられがちだけど、実は違う。熟練の職人の手によって一枚一枚調整が加えられ、新たに制作されるもの。版というメディアを通すことで、作家性は間接的なものになる。いわばアートの共同作業ですね」
実際に工房では、4人の職人が付きっきりで細かく色や版をチェックしながら制作していく。
「複数の人の手を介することで、結果的に一人の力では作れないものが生まれるのが面白い」
作家の感性と職人の技が織り成す必見のコラボレーション。そんな醍醐味をこの目で確かめたい。
柚木沙弥郎
ゆのきさみろう 1922年東京生まれ。芹沢銈介に弟子入りし、染色の道を志す。以来、型染の第一人者として活躍。2008年〜10年にはパリで個展を開催。現地で好評を博す。2014年、フランス国立ギメ東洋美術館に70点以上の作品が収蔵。現在も現役で創作に励む。
〈イデーショップ 自由が丘店〉
『Bonjour Sammy!』 柚木沙弥郎新作リトグラフ7種類を展示・販売。〜12月5日。