DESIGN
デザインイベント速報:「フリッツ・ハンセンの歴史展 -145年の歩み-」
| Design | casabrutus.com | photo_Akihide Mishima text_Mariko Uramoto
《セブンチェア》や《アントチェア》など名作チェアを数多く生み出してきた〈フリッツ・ハンセン〉。デンマーク本社に所蔵されている貴重な椅子を中心に家具45点を展示した「フリッツ・ハンセンの歴史展 -145年の歩み-」が開催中だ。
1872年の創業から、職人技術とタイムレスなデザインを尊重し、名作家具を数多く世に送り出してきた〈フリッツ・ハンセン〉。アルネ・ヤコブセンをはじめ、ポール・ケアホルム、ハンス・J・ウェグナー、ヴァーナー・パントン、オーレ・ヴァンシャーなど名だたるデザイナーたちとタッグを組み、オリジナリティ溢れる家具を生み出してきた。今回の展示は〈フリッツ・ハンセン〉のデンマーク本社で所蔵する椅子とともに、椅子研究家の織田憲嗣、〈ホワイトマウンテニアリング〉デザイナーの相澤陽介、〈フリッツ・ハンセン〉の鈴木利昌の所有品を合わせた、貴重な45点を紹介する。会場は表参道の〈フリッツ・ハンセン青山本店〉の地下フロア。ここをギャラリスペースに見立て、1872年に制作した〈ファースト・チェア〉から、1988年にヴァーナー・パントンが発表した《ワイヤー・コーンチェア》までを時系列に並べる。
〈フリッツ・ハンセン〉本社のミュージアムで所蔵されている椅子がデンマーク国外で展示されるのは今回が初。革張りのシートや木製のフレームには経年変化によって生まれた独特の表情があり、圧倒的な存在感を感じられる。〈フリッツ・ハンセン〉は今なお、ピエロ・リッソーニ、セシリエ・マンツ、ハイメ・アジョンなど新進のデザイナーとコラボレーションし、新作を発表し続けている。地下の展示スペースと1Fのショップスペースを合わせて見ると、過去と現在に共通するデザインフィロソフィーを感じ取ることができるはずだ。また、今回の展示品を収録したブックレットも無料で配布されている。家でゆっくりとページをめくりながら、デンマークデザインの素晴らしさを堪能できる。
「フリッツ・ハンセンの歴史展 -145年の歩み-」
〈フリッツ・ハンセン青山本店〉
