DESIGN
パリの〈ローズ・ベーカリー〉本店が一新! テーマはインダストリアルデザインです。
| Design, Food | casabrutus.com | text_Chiyo Sagae photo_Ayumi Shino editor_Yuka Uchida
有機野菜にこだわった料理やセンス溢れる店づくりで、2002年のオープン以来、スタイルがまたたく間に世界に広がった〈ローズ・ベーカリー〉。そのパリ本店がこの秋に大刷新! 20世紀初頭のインダストリアルデザインをちりばめた3店舗として生まれ変わりました。
パリのマルティール通り商店街に〈ローズ・ベーカリー〉が誕生して14年。周辺にはおしゃれなパティスリーやカフェ、個性派の商店が集まり話題のエリアへと成長した。そんな状況を冷静に見つめ、「真似され尽くした前のスタイルはもういいかな」とローズの夫、ジャン=シャルルさん。また、健康的で美味しい食に目覚めたパリジャンが増えたことで「人々の意識やニーズも14年前とは変わった」と話す。
こうした変化を受けて、この夏デリカテッセンや食材店を併設していた本店やマレ支店を一斉にクローズ。本店をレストランに特化してリニューアルし、その至近にデリカテッセンと食材販売店を新たに構え、3店舗を同時オープンさせたのだ。
こうした変化を受けて、この夏デリカテッセンや食材店を併設していた本店やマレ支店を一斉にクローズ。本店をレストランに特化してリニューアルし、その至近にデリカテッセンと食材販売店を新たに構え、3店舗を同時オープンさせたのだ。
まずは食材店〈SHOP〉へ。英国製のビオ調味料やチョコレート、希少な個人ファクトリーのジャム、保存食品など、ローズさんのお眼鏡にかなった風味豊かな英国製食材を新たにセレクト。ロンドン随一のチーズショップ〈ネールズ・ヤード〉のチーズ、チェダーやスティルトンなどを、お客が自ら切り分けられるチーズコーナーも画期的だ。郊外の農家から届く生鮮野菜や果物はどれもとびきり新鮮。その訳は、レストランやデリで使う野菜も毎日ここから運び出しているから。回転がいいので、48時間以上、生鮮食品が店に置かれることはないという。「マルシェのように」とのローズさんの構想通り、買い物の合間に香り豊かなコーヒーも店内でいただける。
古き良きものや暮らしのスタイルを現代に生かす心意気は内装にも表れている。20世紀初頭を思わせるインダストリアルデザインはいたるところに。1930年代のヴィンテージの工業ネオン管と見事に調和するのは、建築家ドミニク・ペローがデザインを手がけた天井照明。蚤の市で探した金属製の棚や什器をあしらう技にもセンスが光る。「床はあえて古い木材のフローリングにしたんだ」とジャン=シャルルさん。人目につくデザインより、素材や細部にこだわったという店には、どこか懐かしい雰囲気が満ちる。
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