DESIGN
初夏に映える小澄正雄の色ガラス展。
| Design | casabrutus.com | text_Rie Nishikawa editor_Keiko Kusano
紺よりもさらに濃く深い藍、日本伝統の搗色(かちいろ)などの色ガラスを中心とした展覧会が、三重県伊賀市にある〈gallery yamahon〉にて開催。実店舗のオープン前にオンライン展示が5月23日午前0時よりスタートする。
江戸時代の型吹きガラスの技法で薄く軽やかな器を作る小澄正雄。鉄分を含み、少し黄みを帯びた作品は古陶や古いガラスに影響を受けた形も日本的で、どこか懐かしい。そんな小澄が挑戦する色ガラスは搗色(かちいろ)、褐色(かっしょく)と日本古来の伝統色だ。
「これまで透明ガラスをずっと追求していましたが、2年前から色について構想しはじめました。古九谷様式にあるような青、茶、緑、黄、赤のような色が出せないかと、昨年、色ガラスを溶かすためだけの窯を作りました。粉をまぶして色を出す一般的な方法ではなく、より深い色を出す、芯まで色の入ったガラスを作るためです」(小澄正雄)
今回の展示で中心となるのは、紺よりもさらに濃い搗色(かちいろ)。古来日本からある紺色の一種だが、ガラスの薄さゆえにその深みのある藍色はかすかな光の中で黒にも紫にも見えてくる。
「これまで透明ガラスをずっと追求していましたが、2年前から色について構想しはじめました。古九谷様式にあるような青、茶、緑、黄、赤のような色が出せないかと、昨年、色ガラスを溶かすためだけの窯を作りました。粉をまぶして色を出す一般的な方法ではなく、より深い色を出す、芯まで色の入ったガラスを作るためです」(小澄正雄)
今回の展示で中心となるのは、紺よりもさらに濃い搗色(かちいろ)。古来日本からある紺色の一種だが、ガラスの薄さゆえにその深みのある藍色はかすかな光の中で黒にも紫にも見えてくる。
褐色(かっしょく)はべっこう飴のような色だが、こちらも光とともにレモンイエローからビール瓶のような濃い茶まで色の幅を感じるられるのだ。また「搗色玉高台杯」や「搗色ケルデル瓶」など、作品名にも色と形への小澄の趣向が強くうかがえる。
「言葉で表現するのは難しいのですが、どれも僕が考える“形”を突き詰めました。今まで作った形も新たな型を作り、細かくアップデートしています。今回は6割くらいが新しい形になっているのではないでしょうか」(小澄)
「言葉で表現するのは難しいのですが、どれも僕が考える“形”を突き詰めました。今まで作った形も新たな型を作り、細かくアップデートしています。今回は6割くらいが新しい形になっているのではないでしょうか」(小澄)
展覧会ではこれら色ガラスのほか、透明ガラスの人気作品など、約500作品が揃う。初日の混雑を避けるため、実店舗のオープン以前にオンライン展覧会を開催予定する。光が美しい季節に映えるガラスの器で初夏を感じたい。
小澄正雄展「色ガラス」
〈gallery yamahon〉三重県伊賀市丸柱1650。TEL 0595 44 1911。5月23日〜6月7日。11時〜17時30分。火曜休。オンラインストア https://shop.gallery-yamahon.com の先行展示は5月23日0時よりスタート。
小澄正雄
こずみまさお 1979年熊本県生まれ。2001年富山ガラス造形研究所卒業、2005年から富山県にて制作を開始。2015年岐阜県に移住し、制作を行っている。
