CULTURE
よりディープに、2020年代から1980年代の東京へタイムスリップ。
March 13, 2022 | Culture, Architecture | casabrutus.com | text_Akio Mitomi editor_Keiko Kusano
新宿・渋谷など東京の街の1980年代と現在を対比した、善本喜一郎の『東京タイムスリップ1984⇔2021』が写真集としては異例の大ヒットを記録、増刷を重ねて10,000部を突破した。さらにこのたび、続編『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』が発行された。タイトル通り、よりディープな目線でセレクトされた新旧の東京を、写真家・善本のコメントと共に紹介しよう。
40年近い時を経て、東京の記憶の断片を呼び覚ました『東京タイムスリップ1984⇔2021』と、『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』。写真家の善本喜一郎に、なぜ東京の街を当時撮影していたか、改めて聞いた。
「1984年当時はちょうど週刊誌『平凡パンチ』の特約カメラマンになった頃で、それまで思い描いていた作家性のある写真を撮ることはなくなるだろう、と思って東京の街を撮り始めました。師匠の森山大道と深瀬昌久のアドバイスで渋谷の宮益坂に借りたギャラリーで約2年半、3〜4か月に1度の展示を行うための写真でもありました」
一方、2冊の写真集のために2020年から撮り始めた、当時と同アングルの新作は、どんな基準で組み合わせたのだろうか。
「できるだけ人やクルマ、電車などの動いているものを比較すると面白いかなと思いました。インスタグラムにアップすると、『あのクルマは〇〇年式ですよ』と親切に訂正してくれる人もいて(笑)。映画のポスターなども撮影年月を特定するのに役立ちました」
「1984年当時はちょうど週刊誌『平凡パンチ』の特約カメラマンになった頃で、それまで思い描いていた作家性のある写真を撮ることはなくなるだろう、と思って東京の街を撮り始めました。師匠の森山大道と深瀬昌久のアドバイスで渋谷の宮益坂に借りたギャラリーで約2年半、3〜4か月に1度の展示を行うための写真でもありました」
一方、2冊の写真集のために2020年から撮り始めた、当時と同アングルの新作は、どんな基準で組み合わせたのだろうか。
「できるだけ人やクルマ、電車などの動いているものを比較すると面白いかなと思いました。インスタグラムにアップすると、『あのクルマは〇〇年式ですよ』と親切に訂正してくれる人もいて(笑)。映画のポスターなども撮影年月を特定するのに役立ちました」
●渋谷
師匠であった森山大道や深瀬昌久といえば、人物に寄ったハイコントラストな作風だ。
「当時、リー・フリードランダーの作品の、被写体との距離感に影響を受けていたので、師匠たちの被写体へ迫るスナップショットとはずいぶん異なりました。荒木経惟さんが《ペンタックス67》で撮っていた作品にも影響されていましたね」
実際に、写真集に収録された作品の大半は中判カメラ《ペンタックス67》の6×7フォーマットで撮影。それにより、用紙のムダが出にくく、写真集としては手頃な価格に抑えることができたという。
「写真は撮ったときの思いもあるけど、人の手に渡ってからは見てくれる人たちの間でつながっていきます。コロナ禍で実家に帰れない若者が、前作を2冊買って1冊を両親に送り、電話で昔の東京の話をしたそうです。昔の東京を知らない海外のカルチャー好きな若者も、アニメや怪獣映画に描かれた1980年代の東京の、リアルな写真に興味を持ってくれています」
「当時、リー・フリードランダーの作品の、被写体との距離感に影響を受けていたので、師匠たちの被写体へ迫るスナップショットとはずいぶん異なりました。荒木経惟さんが《ペンタックス67》で撮っていた作品にも影響されていましたね」
実際に、写真集に収録された作品の大半は中判カメラ《ペンタックス67》の6×7フォーマットで撮影。それにより、用紙のムダが出にくく、写真集としては手頃な価格に抑えることができたという。
「写真は撮ったときの思いもあるけど、人の手に渡ってからは見てくれる人たちの間でつながっていきます。コロナ禍で実家に帰れない若者が、前作を2冊買って1冊を両親に送り、電話で昔の東京の話をしたそうです。昔の東京を知らない海外のカルチャー好きな若者も、アニメや怪獣映画に描かれた1980年代の東京の、リアルな写真に興味を持ってくれています」
●青山
●原宿
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