ARCHITECTURE
芦沢啓治に聞く、佐賀の名建築5選【佐賀シティガイド】
May 20, 2023 | Architecture, Design, Travel | casabrutus.com | photo_Kenya Abe text_Housekeeper
日本近代建築の父・辰野金吾の生まれの地でもある佐賀は、実は隠れた建築どころ!? 諸富町のインテリアブランド〈Ariake〉のデザインなど、佐賀での仕事も多く行う建築家・芦沢啓治さんに県内の名建築を教えてもらいました。
1.〈武雄温泉新館及び楼門〉|辰野金吾の希少な和風建築。
〈日本銀行本店〉や〈東京駅丸の内駅舎〉の設計を手がけ、日本近代建築の父として知られる辰野金吾。その作風は、赤煉瓦と白い花崗岩を用いた“辰野式”と呼ばれる西洋をルーツとした建築スタイルで著名だが、彼の和風建築が武雄市にある。〈武雄温泉新館及び楼門〉は、開湯1200年以上の歴史ある武雄に1915年に竣工。国の重要文化財にも指定されている、朱塗りが印象的な社寺建築風の建物だ。
温泉の入口には、天平式楼門と呼ばれる釘を一本も使用せずに建設された楼門が。そこを通り現れる新館には浴場があり、現在は資料館となっている。
「辰野さんにしては珍しく、純和風の様式です。ただ、東京駅のドームを連想させる、浴場の八角形の天井や、洋館のようなシンメトリーなファサードなど、所々に“辰野さんっぽさ”があるのが興味深い。洋風建築と和風建築、双方を100年以上前に手がけた辰野さんはやはり稀有な存在だと感じますね」(芦沢さん)
「辰野さんにしては珍しく、純和風の様式です。ただ、東京駅のドームを連想させる、浴場の八角形の天井や、洋館のようなシンメトリーなファサードなど、所々に“辰野さんっぽさ”があるのが興味深い。洋風建築と和風建築、双方を100年以上前に手がけた辰野さんはやはり稀有な存在だと感じますね」(芦沢さん)
〈武雄温泉新館及び楼門〉
〒843-0022 佐賀県武雄市本町7425。TEL 0954-23-2001。火曜休み。入場無料。楼門2階の見学会は毎週火曜日を除く全曜日に実施。見学時間9時~10時(受付9時30分まで、見学料500円)。
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