フレンチのスターシェフ、入江誠が新しいステージへ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

フレンチのスターシェフ、入江誠が新しいステージへ。

〈レストラン イリエ ル ジョワイユー〉でシェフを務め、多くのファンを獲得してきた入江誠。次なる舞台は〈レストラン ラドニス〉だ。

「金目鯛のポワレ 春野菜のエチュベ 香草風味のブールブランソース」(ディナーコース8,000円〜の魚料理)。美しい花やソースにドット模様をつくるオリーブオイルは単なる飾りではなく、風味を添える重要な要素。
〈レストラン イリエ ル ジョワイユー〉〈ピエール・ガニェール・ア・東京〉でシェフを務めた入江誠がいよいよ、舞台も新たに再始動。オーナー・メートルとしてサービスにあたる坂井ひろしとともに〈レストラン ラドニス〉を外苑前に開いた。

スター街道を歩んできた入江と、〈クレッセント〉〈ロオジエ〉など名だたる店を経てきた坂井。フランス料理界の王道をゆく二人が目指すのは「プチ・メゾン」スタイルの店だ。
「“帆立貝のルージュサラダ” シェーブルクリームと自家製燻製ドレッシング」(ランチコース3,200円〜の冷前菜)。燻製をかけたドレッシングがホタテと野菜のまとめ役。皮つきのまま3時間オーブンで焼いた後、皮を外し、真空調理したビーツは絹ごし豆腐のようになめらかな食感だ。
「要するにグラン・メゾンの小さい版です。客席も少なく、調度品も華美ではありませんが、料理もサービスもしっかりエレガントなものを提供するつもりなんです」。

スーツをきれいに着こなし、髪をなでつけた、いかにも高級店のサービスマンらしい風貌の坂井は語る。
「木の芽が薫る筍とホワイトアスパラガス オリジナルタップナード “オリミパル”」(ディナーコース10,000円の温前菜)。春の恵みを味わう一品。グリーンオリーブと白味噌とパルミジャーノを合わせたオリジナルタップナードをつけてどうぞ。
「料理も盛り付けなどの見た目こそ、モダンアートのようなタッチに仕上げていますが、味わいは王道のフランス料理。実は火を入れた牛肉に生のイカを乗せるなど、一見、奇抜だったガニェールもクラシックに忠実で、フランス料理という枠組みを決して外しませんでした。また、そこにフレンチとしてのおいしさがあると信じているので、坂井も僕も、そこは崩さずに守っていくつもりです」(入江)。
坂井ひろしオーナー・メートル(左)と入江誠シェフ。
確かにたけのこや隠し味の味噌など、日本的な素材を使った料理にも、旨みの要に肉のエッセンスを濃縮したソースを使うなど、おいしさへのアプリーチはあくまでフレンチ。また、絵心のあるヴィジュアルの金目鯛の一品も口にすれば、味わいはクラシック。皮目をパリッと、身をしっとり焼き上げた金目鯛に白ワインを使った伝統的なソース、ブールブランを合わせたストレートなフランス料理である。
テーブル18席。窓からは現在建設中の国立競技場の施設を臨む。
以前からのスペシャリテ「“帆立貝のルージュサラダ”シェブルクリームと自家製燻製ドレッシング」などもオンメニューしているが、今後、自らが定めたフランス料理という枠のなかで、どんな料理をつくっていくのか。

「日々、お客さまの反応を見ながらつくっていくことで、新しい一品を模索していきたいですね。僕自身、これからどんな風に変わっていくのか、楽しみで仕方がないです」(入江)。

restaurant L’adonis(レストラン ラドニス)

東京都渋谷区神宮前2-3-30
神宮前ベーシックビル1F。TEL 03 6721 1881。12時〜14時LO、18時〜21時LO。月曜休。料理はコースのみ、昼3,200円〜、夜8,000円〜。ワインはグラス800円〜、ボトル6,000円〜(価格はすべて税込)