見たことのないタイルに触発される『TILE KIOSK』|土田貴宏の東京デザインジャーナル | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

見たことのないタイルに触発される『TILE KIOSK』|土田貴宏の東京デザインジャーナル

岐阜県多治見の〈TAJIMI CUSTOM TILES〉が、世界的デザイナーを起用して、カスタムタイルの未知の可能性を伝えるイベントを開催。建材でありながら、その枠を超えた表情の豊かさに圧倒される。

2月13日に青山の〈スパイラル〉でスタートしたイベント『TILE KIOSK』がかなりの盛況らしい。これは岐阜県岐阜県多治見の総合タイルメーカー、株式会社エクシィズが立ち上げた新しいタイルブランド〈TAJIMI CUSTOM TILES〉によるもので、小規模な展示ながら、今まであまり光が当たらなかったタイルのデザインとしての魅力を伝える。美濃焼などで知られる多治見は、日本有数の窯業が盛んな地で、タイルを量産するメーカーも多い。その中で〈TAJIMI CUSTOM TILES〉は、建築家やデザイナーの依頼に応じて、小ロットからユニークなタイルを作ることができる。その特徴を、クリエイティブディレクターを務めるダヴィッド・グレットリはこう語る。

「通常のタイルは、ドライプレスという方法で均質なものを大量生産します。しかし〈TAJIMI CUSTOM TILES〉は、陶磁器と同様の圧力鋳込はじめ多様な技術でタイルを製造できます。だから釉薬、陶土、造形の自由度が高く、色合いやテクスチャーの豊かなデザインが可能なのです」
通常の建材のタイルが均質なのに対し、〈TAJIMI CUSTOM TILES〉は多様な表現が可能。すべて『TILE KIOSK』で販売されている。
手仕事を感じさせるパターンをもつものも多い。
陶磁器のような色合いや質感をそなえたタイルは〈TAJIMI CUSTOM TILES〉の特徴。
今回の展示では、多治見でタイル製造を行う複数のメーカーが手がけてきた幅広いバリエーションの製品や試作品を多数展示。工業的なタイルにはない様々な表現や用途が試みられてきたことに驚かされる。歴史的に陶磁器の名産地だった多治見ならではのノウハウとクラフツマンシップが、そこに生かされているようだ。また展示のタイルはすべてが販売されていて、価格も400円からととても身近なものになっている。
手描きの波のような陶器は、韓国のイ・カンホによる《タイド》のサンプル。その左と下の作品はマックス・ラムの《ワーキング・タイル》より。
さらに注目したいのは、〈TAJIMI CUSTOM TILES〉がデザイナーのマックス・ラムとイ・カンホとのコラボレーションを進めていることだ。それぞれギャラリーでのエディション作品の発表を中心に活動しているふたりは、実験的な作風によって世界中で評価されている。彼らを起用した意図を、グレットリは説明する。

「以前から一緒に仕事したいと思っていたデザイナーですが、彼らはあまり量産品のデザインをしないので、機会がありませんでした。でも今回のようなカスタムタイルの可能性を見せるには、彼らの作風がとても合っている。そこで今年4月のミラノデザインウィークで〈TAJIMI CUSTOM TILES〉が行う展示のために、インスタレーションを依頼したのです」

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