
会津さざえ堂
Aizu Sazaedo(1796)
- Photo: Mie Morimoto
- Text: Sawako Akune
- Editor: Wakako Miyake
1796年建立。正式名称は「円通三匝(そう)堂」で、当時ここにあった正宗寺の住職・郁堂(いくどう)の考案。六角形、三層のお堂の中をDNA構造に似た二重螺旋状の斜路が貫いており、かつてはこの螺旋スロープに沿って西国三十三観音像が安置されていた。参拝者は入口から右回りに一回転半で頂上まで上り、さらに一回転半で出口に至る順路を辿って三回匝(めぐ)ることで三十三観音参りがかなうというわけだ。西日本の札所巡りに行く機会などない一般の人々にとってはありがたい功徳の機会であった。螺旋構造によって上りと下りの動線が交錯しないため、観音信仰を背景に訪れた大勢の参拝者は、行き帰りの人がすれ違って混雑することなく安全に参拝を楽しんだ。