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【最速レポート】エースホテルがついに京都上陸。
April 14, 2020 | Travel, Architecture, Culture, Design | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Katsura Hiratsuka
京都の歴史的建造物を活用した複合施設〈新風館〉に、ついに〈エースホテル京都〉がオープン! 建築的な見どころや客室の様子を、写真たっぷりでひと足早くレポートします。
●和洋の意匠とカルチャーが融合する、創造的空間。
ホテル建設ラッシュの京都に“切り札”が到来。ついに〈エースホテル京都〉が開業を迎える。エースホテルは1999年シアトルに誕生。昨年までに北米とヨーロッパ9都市にホテルを展開している。特徴は高感度だけどカジュアルで、遊び心に満ちた空間とサービス。宿泊客以外がロビーにたむろすることをも許容し、ホテルを寝るための場所から、人々が集う文化創出のハブへと変えた。
●デザイン監修は隈研吾、インテリアデザインはコミューン。
今回アジア初進出にあたり、なぜ京都が選ばれたのか? 理由のひとつは、大正時代に生まれた〈旧京都中央電話局〉との出会いだった。エース創業者のひとりである故アレックス・カルダーウッドはかつて『Casa BRUTUS』の取材に「土地の要素とコラボしたいから(ホテルの場所選びは)建物が決定打になる」と答えている。ブルーノ・タウトにも認められた建築家、吉田鉄郎が設計し、電話局の役割を終えた後もカルチャーの発信地として親しまれてきたランドマーク〈新風館〉。この度、NTT都市開発が再開発プロジェクトを立ち上げる中、建築デザイン監修を隈研吾が、インテリアデザインにエースの長年のパートナーであるLAのデザイン集団コミューンが担当するという強力な布陣で、〈エースホテル京都〉の空間は構築された。
●エースらしい「クリエイターとのコラボレーション」とは?
エースホテルがこれまで必ず行ってきたのが、地元クリエイターとのコラボレーションだ。京都でも“East meets West”をコンセプトに、97歳の染色工芸家・柚木沙弥郎によるアートワークが全213室に設置されるなど、作家や職人の仕事がそこかしこに存在する。といっても作品のあしらいはあくまでカジュアル。エース名物のレコードプレイヤーやギターと同じ距離感で、和紙のスタンド照明や信楽焼のサイドテーブルといった繊細なアイテムが並ぶ。
●ゲストルーム自体も、クリエイティブな空間。
客室はすべて30㎡以上と広め。保存棟の客室ではアーチや出窓が連なる個性的な空間を堪能できる。今や国産ホテルでも珍しい布団を上げ下げして使う「たたみスイート」や出窓の形を生かして家具を特注した「エーススイート」など、ひとクセある客室も。バリエーションに富んだ構成なので、どの部屋に泊まるか選ぶのも楽しい。「国際的な人々が集まり、創造的な経験ができる場にしたい」と言うニコラス・ブラック総支配人。京都を拠点にエースのカルチャーがまた、育まれていく。