FOOD
もっとオーガニックに! モダンフレンチ〈プレニチュード〉。
| Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
フーディーズが集まる新富町にまた一軒、気になる店が仲間入り。限りなくオーガニックな食材にこだわるモダンフレンチ〈プレニチュード〉だ。
2017年現在、東京はフランスについで世界で2番目にフレンチレストランの個性が多彩な街ではないだろうか。戦前からのクラシックなスタイルの店から、80年代、90年代などの各時代を象徴する皿を提供する店、モダンスパニッシュを経て、最近の北欧ナイズされた店までが、さまざまな価格帯で揃っている。そんな中〈プレニチュード〉が目指すのはできる限り、有機無農薬の野菜や果物を使ってつくる、ヘルシーかつモダンなフランス料理だ。
オーナーシェフ、今田一之は4年間、「食の都」と呼ばれるフランス・リヨンで4年間、郷土料理をみっちり体に染み込ませた料理人だ。神楽坂〈レストラン ルグドゥノム ブッション リヨネ〉料理長時代にはミシュラン1ツ星も獲得している。昼も夜もコースのみというこの店で、最初の一品としてリヨンの郷土料理である鶏のソーセージ「ブーダン・ブラン」を出すこともあるという。ただし、非常に洗練された盛り付けと味わいで。添えられる野菜は有機無農薬の野菜だ。
前菜にもメインにも、野菜は必ずつく。たとえば、白い煙に包まれて登場する前菜。今田シェフの故郷、岡山から届いたサワラを使った「岡山県産サワラの軽い燻製 アーティチョークのピューレ」には、石川・能登〈高農園〉の根菜類。42度という低温で燻したサワラのしっとりした食感に添えて、蒸した黄ニンジンや「能登娘」という名の赤大根の甘み、香りが新鮮な驚きをくれる。
メインに移る前の「グラニテ」。口をさっぱりするための一品だが、青森産の有機無農薬のリンゴの自然な甘酸っぱさが生き生きと立ち上がってきて、思わず集中してしまう。個人的な見解として「ひと休み」的な扱いの「グラニテ」がおいしい店には名店が多い。
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