DESIGN
陶芸家・尾形アツシが作り上げる巨大な壷。
| Design, Art | casabrutus.com | photo_Tomohiko Tagawa text_Aya Hasegawa
現代アーティスト・村上隆がオーナーを務める〈カイカイキキギャラリー〉にて、11月25日より、尾形アツシ個展『もっと大きな壺といつものうつわ/綻びを力に変えて』がスタートする。
尾形アツシは、30歳代中盤で雑誌の編集長を辞して陶芸家に転身したという異色の経歴の持ち主だ。現在は、2009年に築窯した登り窯で土ものを中心に作品を制作しており、土の質感や表情を出すため、釉薬をかけずに焼成された焼き締め作品や、刷毛目や粉引を多用した土化粧の作品を多く制作。〈カイカイキキギャラリー〉のオーナー・村上隆は、尾形について、「生活陶芸系では『味』的な表情を強調している作家」と評している。
2012年12月に〈Oz Zingaro〉にて開催された個展『大きな壺といつものうつわ』の流れを汲む同展では、尾形の制作の基本であるうつわ約1,000点に加え、大壺を十数点、さらなる限界に挑戦した、高さ約2mにも及ぶスケールを含む超巨大壺5点を展示する。
「大壺の製作中、壺のお腹の辺りに小さな植物の芽が生えていた。大壺の製作には、時間が掛かるので原土の土が乾くまでに何かの種が発芽したらしい。こんな時は、粘土の中に自然の息吹というか、大地の力強さみたいなものを感じる。嬉しくなった」。
奈良の工房から信楽の陶芸の森に通い巨大壺を制作する中で、割れやクラックがあってもうつわとしての存在感のあるもの、土の存在感が残っているものに自身が惹かれていることに気づき、うつわ作りにおいても、少し「綻(ほころび)」があることが自身のスタイルであると再認識した。「破綻までゆかず、繕うことが出来る程度の綻び。そんな綻びに、土の力強さが見え隠れするものに惹かれている」「綻びは、私にとっては喜びなのだ」と語る。
挑戦によって見つめ直された尾形作品の真髄と進化が雄弁に反映された、超巨大壺を見に出かけてみては?
2012年12月に〈Oz Zingaro〉にて開催された個展『大きな壺といつものうつわ』の流れを汲む同展では、尾形の制作の基本であるうつわ約1,000点に加え、大壺を十数点、さらなる限界に挑戦した、高さ約2mにも及ぶスケールを含む超巨大壺5点を展示する。
「大壺の製作中、壺のお腹の辺りに小さな植物の芽が生えていた。大壺の製作には、時間が掛かるので原土の土が乾くまでに何かの種が発芽したらしい。こんな時は、粘土の中に自然の息吹というか、大地の力強さみたいなものを感じる。嬉しくなった」。
奈良の工房から信楽の陶芸の森に通い巨大壺を制作する中で、割れやクラックがあってもうつわとしての存在感のあるもの、土の存在感が残っているものに自身が惹かれていることに気づき、うつわ作りにおいても、少し「綻(ほころび)」があることが自身のスタイルであると再認識した。「破綻までゆかず、繕うことが出来る程度の綻び。そんな綻びに、土の力強さが見え隠れするものに惹かれている」「綻びは、私にとっては喜びなのだ」と語る。
挑戦によって見つめ直された尾形作品の真髄と進化が雄弁に反映された、超巨大壺を見に出かけてみては?
尾形アツシ個展『もっと大きな壺といつものうつわ/綻びを力に変えて』
〈カイカイキキギャラリー〉
