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「真珠織と彫刻家具と本」の展示会、銀座〈和光本店〉「アーツアンドカルチャー」で開催。
| Design, Art, Culture | PR | text_Mari Matsubara editor_Keiko Kusano
東京・銀座の〈和光〉本店地階「アーツアンドカルチャー」で、ペルシャ絨毯とオブジェのような家具、そして書籍を取り合わせたユニークな展示が始まる。手紡ぎ・草木染による極上の絨毯の風合いと、廃木の姿形を生かした本棚やスツール、その世界感に寄り添う選書に惹かれるイベントだ。
展示のタイトルは「真珠織と彫刻家具と本」。詩的で印象的なタイトルだが、よくよく考えてみると、この3つの要素はどのような意図で組み合わされたものだろうか。一一そもそも“真珠織”とは? “彫刻家具”とは?一一そのあたりから、ひもといていきたい。
「“真珠織”とは、ペルシャ絨毯の織りの一種です。和光では、以前から羊毛を手で紡ぎ、天然の染料で染めた糸を用いて手織りでペルシャ絨毯を制作する〈ミーリー工房〉の日本総代理店である〈ミーリーコレクション〉とお付き合いがあり、販売を行なっています。その〈ミーリーコレクション〉の東京・白金台ショールームには、ため息の出るような素晴らしい絨毯と呼応するように、極めてユニークな木工家具が置かれていて、自然のままの木の姿を生かしたスツールや棚にすっかり魅了されました。それが〈象鯨〉が提唱する“彫刻家具”だったのです。
ともに自然素材から生まれ、人間の手仕事によって形づくられ、本来あるべき姿をとどめながら存在し、時を超えて何世代にもわたって受け継がれていくプロダクトであることに共通性を感じ、両者を取り合わせた展覧会を企画しました。ご紹介する家具の中には本棚も多く含まれていたことから、そこにふさわしい書籍を並べようということになり、選書をブックディレクターの幅允孝さんにお願いしました」(〈和光〉担当者)
「“真珠織”とは、ペルシャ絨毯の織りの一種です。和光では、以前から羊毛を手で紡ぎ、天然の染料で染めた糸を用いて手織りでペルシャ絨毯を制作する〈ミーリー工房〉の日本総代理店である〈ミーリーコレクション〉とお付き合いがあり、販売を行なっています。その〈ミーリーコレクション〉の東京・白金台ショールームには、ため息の出るような素晴らしい絨毯と呼応するように、極めてユニークな木工家具が置かれていて、自然のままの木の姿を生かしたスツールや棚にすっかり魅了されました。それが〈象鯨〉が提唱する“彫刻家具”だったのです。
ともに自然素材から生まれ、人間の手仕事によって形づくられ、本来あるべき姿をとどめながら存在し、時を超えて何世代にもわたって受け継がれていくプロダクトであることに共通性を感じ、両者を取り合わせた展覧会を企画しました。ご紹介する家具の中には本棚も多く含まれていたことから、そこにふさわしい書籍を並べようということになり、選書をブックディレクターの幅允孝さんにお願いしました」(〈和光〉担当者)
そもそもペルシャ絨毯とは、イランで伝統的に織られている手織りの絨毯のことを指すが、20世紀以降は化学染料と紡績機械が導入され、20世紀後半に入った頃にはほぼ全ての絨毯が合成染料と機械で紡績された繊維の物で占めるようになったという。1980年代に途絶えてしまった本来の手紡ぎ・草木染の絨毯を、徹底的に研究し復活させたのが〈ミーリー工房〉だ。藍・茜・胡桃・葡萄の葉・柘榴(ざくろ)・エスペラック・コチニールなど自然の植物や虫などから抽出した色素から生まれる濃淡のバリエーションは、化学染料では出せない味わいがある。この色の発色の良さの鍵となるのが、手紡ぎの工程なのだと〈ミーリーコレクション〉のソレマニエフィニィ・アミールさんは語る。
「機械で紡績すると羊毛のキューティクルが壊されてしまいます。すると本来適度な油分によって保たれていた毛糸の湿度と温度のコントロールが効かなくなり、染め上がったときの艶やかさや透明感が得られません。染料と羊毛の質、紡ぎ方、すべてが噛み合ってこそ、本来の絨毯のクオリティが保たれるのです」(アミールさん)
「機械で紡績すると羊毛のキューティクルが壊されてしまいます。すると本来適度な油分によって保たれていた毛糸の湿度と温度のコントロールが効かなくなり、染め上がったときの艶やかさや透明感が得られません。染料と羊毛の質、紡ぎ方、すべてが噛み合ってこそ、本来の絨毯のクオリティが保たれるのです」(アミールさん)
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