錨(いかり)の伝統技術を暮らしに活かし、次世代へ繋ぐ。港町の新スポット〈santo〉の試みとは?
December 31, 2022 | Design, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Tetsuya Ito edit & text_Yoko Fujimori
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鍛造工場に隣接する〈santo〉は、2022年8月オープン。設計はイタリアの「Dedalo Minosse 2007/2008国際建築賞」 Under40グランプリを受賞した〈ホロコースト記念館〉や、〈後山山荘〉などを手掛けた建築家・前田圭介が担当した。
オリジナルブランド〈TAonTA〉や〈cocinero〉の商品がディスプレイされる。〈TAonTA〉の家具のフォルムからインスピレーションを得たという、はしご状の鉄骨部材とそれらを挟み込んだバーチ合板の構造がダイナミックなリズムを生む。
館内には〈cocinero〉のフライパンを体験できる暖炉も完備。鍛造の文化を伝える鞆鉄鋼団地の新たなランドマークだ。
〈三暁〉の第一工場。最新鋭の大型精密機器を揃え、設計から製作、メンテナンスまで一貫製造を行う。
2016年に譲り受けた鍛造工場。築年数は50年以上、土敷きの床に重油炉や鍛造プレスなど、昭和から使い続ける道具が並ぶ。ハイテクな「第一工場」とは対照的な雰囲気だ。
鍛造を担当する職人たち。現在、錨造りなどの作業は週1日。それ以外は第一工場で精密加工を行う。ハイテクとローテクの両技術を身につけた職人によって、新たなアイテムが生まれている。
1200〜1250℃に熱した鉄材をエアーハンマーで叩く、鍛造作業の一工程。ちなみに作業服のトップスは〈LEE〉製、ボトムスは地元メーカーのデニム。
コークス炉で鉄板を熱し、ハンマーで叩いてフライパンを成形する。鞆の浦ではこうした鍛治の文化が奈良時代から脈々と受け継がれている。
〈santo〉では鍛造体験プランも実施中。自由鍛造によるフライパン造りにも挑戦できる。予約制。
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