CULTURE
日本のフェスは、世界に誇る文化です!
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
June 14, 2018 | Culture | a wall newspaper | photo_Shoutaro Tsuda text_Katsumi Watanabe
世界のフェスを渡り歩く〈Festival Life〉の津田昌太朗さんが解説する、今年のフジロックとサマソニ、フェスの今後。
Q FUJI ROCK FESTIVAL 2018には、ノーベル文学賞が授与されたボブ・ディラン(7月29日)が出演。さらに、別日のヘッドライナーであるケンドリック・ラマー(28日)がピューリッツァー賞を受賞しましたよね。奇跡のようなラインナップが揃いました。
津田 フジロックを主催している〈SMASH〉の代表、日高正博さんは、インタビューなどで常々“いつかディランを呼びたい”とおっしゃっていましたから。ずっとオファーをかけていて、たまたま今年になったんじゃないかと思います。ケンドリックも経緯は同じだと思われますが、実は13年のフジロックにも出演しているんです。日高さんや〈SMASH〉の先見の明としかいいようがないんですが、今のようにケンドリックがアメリカの国民的スターになる前です。ほかのフェスからも声がかかっていたと思いますが、フジロックへの恩や好印象があったから、実現したのではないかと思います。
Q 16年に_Desert Tripでディランを。17年にCoachella Festivalで、ケンドリックのライブを、ご覧になったそうですね。
津田 ディランはノーベル賞を受賞した直後なのに、それに一切触れず、飄々としていてカッコよかった。音楽家としても現在進行形で、名曲もすべてアレンジされていましたね。「風に吹かれて」なども、最後まで聴かないとわからないほど(笑)。予習ならば、過去の名作を聴くより、最近のライブ動画を見た方がいいかも。ケンドリックは、アルバム『DAMN』発売直後のライブだったんですが、みんなリリックを覚えてラップしていたのには驚きました。同じくヒップホップ枠ではSUMMER SONIC 2018に、チャンス・ザ・ラッパーが出演するのが、今年のトピックですね。
津田 フジロックを主催している〈SMASH〉の代表、日高正博さんは、インタビューなどで常々“いつかディランを呼びたい”とおっしゃっていましたから。ずっとオファーをかけていて、たまたま今年になったんじゃないかと思います。ケンドリックも経緯は同じだと思われますが、実は13年のフジロックにも出演しているんです。日高さんや〈SMASH〉の先見の明としかいいようがないんですが、今のようにケンドリックがアメリカの国民的スターになる前です。ほかのフェスからも声がかかっていたと思いますが、フジロックへの恩や好印象があったから、実現したのではないかと思います。
Q 16年に_Desert Tripでディランを。17年にCoachella Festivalで、ケンドリックのライブを、ご覧になったそうですね。
津田 ディランはノーベル賞を受賞した直後なのに、それに一切触れず、飄々としていてカッコよかった。音楽家としても現在進行形で、名曲もすべてアレンジされていましたね。「風に吹かれて」なども、最後まで聴かないとわからないほど(笑)。予習ならば、過去の名作を聴くより、最近のライブ動画を見た方がいいかも。ケンドリックは、アルバム『DAMN』発売直後のライブだったんですが、みんなリリックを覚えてラップしていたのには驚きました。同じくヒップホップ枠ではSUMMER SONIC 2018に、チャンス・ザ・ラッパーが出演するのが、今年のトピックですね。
Q 音楽はもちろん、映画『ブラックパンサー』など、アメリカでは文化的にブラックカルチャーの勢いが凄いですよね。
津田 今年もコーチェラへ行きましたが、総勢100名近いダンサーや鼓笛隊など従えたビヨンセのステージは圧巻でした。他の日のヘッドライナーも、エミネム(ゲストにドクター・ドレ)とウィークエンドで。アメリカでは3年ほど前からラッパーがフェスのヘッドライナーをつとめることが増えていて、今年はヨーロッパのフェスにも、多くのラッパーが出演します。中でも、人気や知名度でもケンドリックが断トツです。近年、音楽では“これは聴いておかなくてはならない!”というものって、あまりなかったんですが、彼のステージは必見だと思います。
津田 今年もコーチェラへ行きましたが、総勢100名近いダンサーや鼓笛隊など従えたビヨンセのステージは圧巻でした。他の日のヘッドライナーも、エミネム(ゲストにドクター・ドレ)とウィークエンドで。アメリカでは3年ほど前からラッパーがフェスのヘッドライナーをつとめることが増えていて、今年はヨーロッパのフェスにも、多くのラッパーが出演します。中でも、人気や知名度でもケンドリックが断トツです。近年、音楽では“これは聴いておかなくてはならない!”というものって、あまりなかったんですが、彼のステージは必見だと思います。
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