ART
日本との知られざる関係に迫る『ミロ展―日本を夢みて』が開催に。
December 23, 2021 | Art | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa editor_Keiko Kusano
自由奔放な画風で知られるスペイン出身の芸術家、ジュアン・ミロの、日本では20年ぶりとなる大規模な回顧展が、2022年2月11日、幕を開ける。
ピカソ、ダリと並ぶスペインの巨匠、ジュアン・ミロ(1893-1983)は、シュルレアリスムを足掛かりに唯一無二の作品世界を築いた、バルセロナ生まれの芸術家だ。90年にわたる生涯で、油彩や版画、彫刻をはじめとする立体作品など幅広い作品を手がけた。
2018年から19年にかけてパリの〈グラン・パレ〉で大回顧展が開催され、昨今その活動に改めて注目が集まっているミロ。その創作活動の裏側に、日本文化への深い造詣があったことをご存じだろうか。
2018年から19年にかけてパリの〈グラン・パレ〉で大回顧展が開催され、昨今その活動に改めて注目が集まっているミロ。その創作活動の裏側に、日本文化への深い造詣があったことをご存じだろうか。
『ミロ展―日本を夢みて』では、若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして日本で初めて展示されたミロ作品、さらに本人のアトリエにあった日本の民芸品や批評家の瀧口修造との交流を示す資料など、約130点の作品や資料を通して、ミロと日本の深いつながりをひもとく。
たとえば、《アンリク・クリストフル・リカルの肖像》(1917年)は実物の浮世絵をコラージュした油彩だ。また、ミロは1966年に初来日を果たしており、それ以降、書道の滲みや跳ねの動きを感じる黒く太い線描をより大胆に用いるようになったことも知られている。なお、今回はミロが来日した際のスナップ写真も紹介される予定だ。
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