『トランスレーションズ展』、翻訳のワンダーランドへようこそ。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

『トランスレーションズ展』、翻訳のワンダーランドへようこそ。

学際情報学の研究者、ドミニク・チェンをディレクターに迎え、翻訳の可能性を探る作品やプロジェクトを紹介する展覧会が開催に。

和田夏実《Visual Creole》。手話を、想像を手の動きで表す視覚言語として捉え、鑑賞者と共にその世界を探る映像作品。
翻訳とは一般的に、書かれたり話されたりしたある言語を、別の言語に変換することを指す。しかし、一つの言語で言葉を発するという行為自体も、一種の翻訳だと言える。なぜなら人は、五感を通して体感する自身の感覚や感情を、言葉や身振り、そして表情に「翻訳」しているからだ。そしてその際に、自分の伝えたいことを完璧に伝えられるわけではなく、その「翻訳」には常に「わかりあえなさ」が伴っている。

『トランスレーションズ展 -「わかりあえなさ」をわかりあおう』では、「翻訳」をそうした分かり合えない他者同士がコミュニケーションを図る上でのプロセスと考え、普段、何気なく使用している言葉の不思議さや、「誤解」や「誤訳」によってコミュニケーションから抜け落ちてしまう意味の面白さを体験できるような、「多種多様な翻訳の技法のワンダーランド」を提示していく。
永田康祐《Translation Zone》
島影圭佑《OTON GLASS》。見た文字を読み上げてくれる、視覚障がい者のためのメガネ。
具体的には、「翻訳」をテーマにした多彩な作品、プロジェクトを紹介している。本多達也による《Ontenna(オンテナ)》は、振動と光を用いて音の特徴を身体に伝えるインタフェースで、聴覚障がい者・ろう者と協働で開発されたものだ。永田康祐の映像作品《Translation Zone》では、言語と食文化の類似点に注目。翻訳という視点を用いて、それぞれにおける文化の混交や摩擦について考える。そのほか、ぬか床に生息する微生物の発酵具合を音声に変換する、Ferment Media Researchの手がけるユニークなロボット《NukaBot v3》や、「サメを性的に魅惑する香水」の制作によって、分子レベルでの異種間の意思疎通について考察する、長谷川愛によるリサーチプロジェクト《Human X Shark》など、多角的な視野から翻訳という行為を解釈した作品が並ぶ。

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