VEHICLE
Chill CARS|いい意味で“らしくない”流麗なクーペ。
『カーサ ブルータス』2020年1月号より
| Vehicle | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Fumio Ogawa illustration_Daijiro Ohara
スウェーデンの〈ボルボ・カーズ〉は、ステーションワゴンやSUVで知られるが、じつは、2ドアクーペも得意としてきた。その最たる好例が1985年発表の《780》だ。
7対3の比率でフロントから見たときの眺めはイタリア製のクーペを連想させる。ロングノーズに対して、ルーフの前後長を短くし、リアクォーターピラーを前傾させたスタイリッシュな造形なのだ。実際、デザインを手がけたのはイタリアの〈ベルトーネ〉である。
筆者の手元にある〈ボルボ〉がデザインについてまとめた資料を読むと、自社のデザインポリシーをして、「グッドデザインとは表面のスタイリングにとどまらない。その製品を理解できて、使いやすいことも重要だ。機能的でなくては美的でない」としているのだ。
〈ボルボ〉は72年から81年にかけて《262C》という2ドアクーペを作っていた。こちらも〈ベルトーネ〉のデザインだったが、「リアクォーターがやたら太い2ドア」という特徴しかなかった。
それに対して《780》は流麗で、かつスポーティになった。いっぽうで、大きな荷室や広い後席スペースを持つ。〈ボルボ〉社内の審美的な基準をクリアしつつ、独自のスタイルを完成させているのだ。贅沢な雰囲気がよい。
実用車を美しく仕上げるメーカー。これがいまも一般的な〈ボルボ〉のイメージかもしれない。エレガントな《780》は好ましい例外なのだ。
筆者の手元にある〈ボルボ〉がデザインについてまとめた資料を読むと、自社のデザインポリシーをして、「グッドデザインとは表面のスタイリングにとどまらない。その製品を理解できて、使いやすいことも重要だ。機能的でなくては美的でない」としているのだ。
〈ボルボ〉は72年から81年にかけて《262C》という2ドアクーペを作っていた。こちらも〈ベルトーネ〉のデザインだったが、「リアクォーターがやたら太い2ドア」という特徴しかなかった。
それに対して《780》は流麗で、かつスポーティになった。いっぽうで、大きな荷室や広い後席スペースを持つ。〈ボルボ〉社内の審美的な基準をクリアしつつ、独自のスタイルを完成させているのだ。贅沢な雰囲気がよい。
実用車を美しく仕上げるメーカー。これがいまも一般的な〈ボルボ〉のイメージかもしれない。エレガントな《780》は好ましい例外なのだ。
country: Sweden
year: 1985-90
seats: 5
size: L4,790×W1,750×D1,400mm
price: approx.1,300,000yen
special thanks to Doctor.V(TEL 0120 157 356) ※データと価格は撮影車両を参考に算出したものです。
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