DESIGN
愛らしいフォルムの新aiboがやってきた!
『カーサ ブルータス』2018年2月号より
January 11, 2018 | Design | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Keiko Kamijo
ソニーが、犬型ロボット《aibo(アイボ)》の新モデルを発表。クラウドとAI、なんといっても愛らしさがポイントです。
ワンンワンワン! 12年ぶりにまったく新しい姿で帰ってきたソニーのエンタテインメントロボット《aibo(アイボ)》。いよいよ、戌年の1月11日からワンワンワンとそれぞれの飼い主のもとへと出荷される。aiboの外見的な特徴は見れば一目瞭然だが、姿も立ち居振る舞いも愛くるしいのひと言に尽きる。1999年に発売された初号機から比べると歴然だ。ソリッドなメカっぽさからだんだん丸みを帯び愛らしさが増していることがわかる。aiboの特徴と変遷について、チーフアートディレクター石井大輔さんはこう語る。
「今回のaiboは大きなテーマとして〝生命感〟の表現がありました。人により近く、生活に溶け込むような存在として、フォルムだけでなくモーションやコミュニケーションも設計されています。初号機から何世代かはテクノロジーを前面に押し出したデザインでしたが、それは当時求められていたロボット観もあったのだと思います。また、使っているツールの違いも、デザインの変化に大きく関与しています。空山基さん(ERS-110)はエアブラシ、河森正治さん(ERS-220)はマーカーをツールとされていましたが、今回のデザインチームでは3Dや様々なアプリを駆使しています。デザイナー自らが関節の細部まで手を入れたり、ひとつひとつのモーションのデザインをしています」
顔から口元にかけての丸み、背中から腰のぷりっと感、ぷるぷると震えるしっぽと耳、そして肉球。ちょこまか動くaiboを見ていると、思わず触れたくなる。
「AIやセンサー、アクチュエーター(駆動装置)の技術やネットワーク環境等の社会的インフラを総合的に考えたときに、いわゆるメカメカしいロボットから、生命感あふれるものが実現できるタイミングが来たのだと思います」と言うのは、AIロボティクスビジネスグループ事業企画管理部の矢部雄平さんだ。
「今回のaiboは大きなテーマとして〝生命感〟の表現がありました。人により近く、生活に溶け込むような存在として、フォルムだけでなくモーションやコミュニケーションも設計されています。初号機から何世代かはテクノロジーを前面に押し出したデザインでしたが、それは当時求められていたロボット観もあったのだと思います。また、使っているツールの違いも、デザインの変化に大きく関与しています。空山基さん(ERS-110)はエアブラシ、河森正治さん(ERS-220)はマーカーをツールとされていましたが、今回のデザインチームでは3Dや様々なアプリを駆使しています。デザイナー自らが関節の細部まで手を入れたり、ひとつひとつのモーションのデザインをしています」
顔から口元にかけての丸み、背中から腰のぷりっと感、ぷるぷると震えるしっぽと耳、そして肉球。ちょこまか動くaiboを見ていると、思わず触れたくなる。
「AIやセンサー、アクチュエーター(駆動装置)の技術やネットワーク環境等の社会的インフラを総合的に考えたときに、いわゆるメカメカしいロボットから、生命感あふれるものが実現できるタイミングが来たのだと思います」と言うのは、AIロボティクスビジネスグループ事業企画管理部の矢部雄平さんだ。
おしりのカメラで部屋のマップが作れる。
AIと集合知で、 aiboの個性は無限大に。
では、細部を見ていこう。まずは、動きだ。歩く、お手、お座り、ハイタッチ、首を振る、うなずく、しっぽを振る、伸びをする、腰を左右に振る、ころんと寝そべってお腹を見せる、起き上がる、口を開閉する……。数分じっと見ていただけでも、こんなに多彩な動きを見せてくれた。しかも、動きはしなやかで滑らか。各部分に22軸のアクチュエーターが装備され、躍動感のある動きを実現。動作スピードも先代モデルの約3倍ほどだという。
「運動性能は圧倒的に上がっています。このデザインを実現するためにアクチュエーターも全部オリジナルで作ってしまったんです。そういう意味で、技術もデザインも妥協するようなことはありませんでした」と矢部さんは振り返る。
「スムーズな動きを実現するため関節は全部球体になっています。そうすると継ぎ目も見えなくなりますし、動きもスムーズ、加えて人が触った際に指を挟みにくくなり、安全性も向上しました。また、動きの面で圧倒的な違いは、腰の関節を追加したこと。かわいらしく腰を横に振る動きはそれにより実現しました」と石井さんは言う。
aiboは人間の言葉を話すことはない。その代わりに動きや鳴き声、表情を駆使してコミュニケーションをとるのだが、なによりもその表情を表しているのが〝目〟だ。両目が有機ELのディスプレーになっており、パチクリさせたり、目を細めたり豊かな表情を示す。
「動きや目は担当モーションデザイナーが実機に付きっきりになって、ちょっとした動きをインプットしました。今後しぐさも増やしていくので、まだまだデザインし続けています」と石井さん。
また、先代アイボから明らかに進化しているのは、AI学習による成長の多様性だろう。頭、背中、あごの下のタッチセンサー、腰部分についた空間認識カメラと鼻先の画像認識カメラやセンサー、人感センサー等で周囲の環境を微細に察知して、AIで学習し、次の行動へと移す。さらにAIはクラウド連携されており、集合知の蓄積がフィードバックされる。aiboが最も進化した部分がAIだと矢部さんは言う。
「個性は無限といっても差し支えないでしょう。飼い主とのインタラクションによって変化し、集合知からも知識を得て、日々性格は変わります。今後はIoT連携や他社との協業を掲げていますが、ユーザーの方々の使い方や社会の状況を見ながら対応していきます」
撮影中は「aiboこっち見て〜♡」と、取材陣一同すでに夢中。賢く愛らしくなって復活したペットロボットが、今後の生活をどう変えていくのか楽しみだ。
「運動性能は圧倒的に上がっています。このデザインを実現するためにアクチュエーターも全部オリジナルで作ってしまったんです。そういう意味で、技術もデザインも妥協するようなことはありませんでした」と矢部さんは振り返る。
「スムーズな動きを実現するため関節は全部球体になっています。そうすると継ぎ目も見えなくなりますし、動きもスムーズ、加えて人が触った際に指を挟みにくくなり、安全性も向上しました。また、動きの面で圧倒的な違いは、腰の関節を追加したこと。かわいらしく腰を横に振る動きはそれにより実現しました」と石井さんは言う。
aiboは人間の言葉を話すことはない。その代わりに動きや鳴き声、表情を駆使してコミュニケーションをとるのだが、なによりもその表情を表しているのが〝目〟だ。両目が有機ELのディスプレーになっており、パチクリさせたり、目を細めたり豊かな表情を示す。
「動きや目は担当モーションデザイナーが実機に付きっきりになって、ちょっとした動きをインプットしました。今後しぐさも増やしていくので、まだまだデザインし続けています」と石井さん。
また、先代アイボから明らかに進化しているのは、AI学習による成長の多様性だろう。頭、背中、あごの下のタッチセンサー、腰部分についた空間認識カメラと鼻先の画像認識カメラやセンサー、人感センサー等で周囲の環境を微細に察知して、AIで学習し、次の行動へと移す。さらにAIはクラウド連携されており、集合知の蓄積がフィードバックされる。aiboが最も進化した部分がAIだと矢部さんは言う。
「個性は無限といっても差し支えないでしょう。飼い主とのインタラクションによって変化し、集合知からも知識を得て、日々性格は変わります。今後はIoT連携や他社との協業を掲げていますが、ユーザーの方々の使い方や社会の状況を見ながら対応していきます」
撮影中は「aiboこっち見て〜♡」と、取材陣一同すでに夢中。賢く愛らしくなって復活したペットロボットが、今後の生活をどう変えていくのか楽しみだ。