いま時代が求める住宅とは?〈シャーウッド〉と名作デザインが語る「木の力」【前編】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

いま時代が求める住宅とは?〈シャーウッド〉と名作デザインが語る「木の力」【前編】

香り、手触り、足触り。木に包まれた空間に足を踏み入れた時のなんとも言えない清涼感。これまで人々が直感的に感じていた木の癒し効果を科学的に証明する研究が、いま進んでいます。積水ハウスの木造住宅〈シャーウッド〉に配された20世紀の名作木製デザインとともに、木が持つ力と、いま必要な住宅のあり方を考えます。

〈Yチェア〉
デンマークの巨匠、ハンス J. ウェグナーの代表作。モダンデザインの名作として世界的なヒットとなり、いまなお人気は衰えない。完成に必要な製作工程は100以上で、そのほとんどが職人の手を通して作られる。〈CH24〉85,000円〜(カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京 TEL 03 5413 5421)
〈ラウンジチェア〉
ハンス J. ウェグナーのラウンジチェア。アームレストの形状や成形合板製の背もたれの微妙な曲線が美しい。〈CH22〉285,000円〜(カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京)
〈グランプリチェア〉
デンマークの巨匠・アルネ・ヤコブセン によるデザイン。ミラノ・トリエンナーレでグランプリを獲得したことから、グランプリチェアと名付けられた。〈Grand Prix〉 オーク、ウォルナット共に78,000円(フリッツ・ハンセン青山本店 TEL 03 3400 3107)
生涯で500種類を超える椅子をデザインした巨匠ハンスJ.ウェグナーは、デザイナーである前に一人の木工職人だった。木に直接触れてその特質を知り尽くすことで、木製家具の可能性を広げ続けたのだ。世界で最も売れた椅子と言われる〈Yチェア〉をはじめ、彼がデザインした木製家具はすべて素材との親密な対話から生まれたものだと言える。

そして〈Yチェア〉誕生から70年が経った現在、ウェグナーが手作業で生み出したデザインは時代と地域を超え世界中でいまも愛され続けている。〈Yチェア〉や〈ラウンジチェア〉などを実際に見て、触れて、座ってみると、その木が持つ親密さと温もりに驚かされるはずだ。五感が柔らかく刺激されて、「なんとなく心地いい」というぼんやりとした感覚が訪れる。この偉大なデザイナーは木が持つ癒し効果を経験的に知っていたはずで、それは70年という歳月を経て今なお世界中の人々によって実証され続けている。

現在、木の癒し効果が科学的に研究されはじめている。

〈901 ティートロリー〉
フィンランドの巨匠、アルヴァ・アアルトによるデザイン。合板によるフレームの曲線が美しい。日本の木工品や日本建築から影響を受たと言われるアイテムだ。260,000円(アルテック TEL 0120 610 599)
〈ゲリドン〉
フランスの建築家、ジャン・プルーヴェによってデザインされたテーブル。天板と脚部のいずれにも無垢材を使用。プルーヴェ建築と同様の構築的シルエットが美しい。写真はナチュラルオーク。〈Guéridon〉1050mm 228,000円(ヴィトラ/hhstyle 青山ショールーム TEL 03 5772 1112)
〈コーヒー テーブル〉
イサム・ノグチによるデザイン。2つの無垢材(写真はブラックアッシュ)の脚部パーツが絶妙なバランスで組み合う。〈Coffee table〉 224,000円(ヴィトラ/hhstyle 青山ショールーム TEL 03 5772 1112)
こういった木が与える「なんとなく心地いい」効果について、現在科学的な研究が進んでいる。

「1990年代中頃から、木が人に与える生理的な影響を測定する研究が盛んになっています」と東京大学大学院で木の快適性を研究している恒次祐子准教授は語る。

「これらの研究は日本が世界をリードしている状況です。日本人は木が心身に良い影響を与えることを経験的に知っていました。森林に囲まれた国土で木造住宅に住むなど、木と触れ合う機会が多いことの影響もあると思います」

研究はさまざまな方向からなされている。例えば、木の手触りや足触りが脳や体をリラックスさせるという研究。あるいは、木の精油の香りが免疫活性を高めるという研究などなど。それまでの断熱性に優れていて湿気を吸収するという素材としての研究を超えて、木が人間の心身に与える「快適」の研究が急速に進歩しているのだ。

「私のチームが行った実験ですが、赤ちゃんに木の香りをかいでもらうと心拍が下がりリラックス状態になることがわかりました。また、小学生が木のボールで埋まったプールに入ったときも同じようなリラックス効果が見られたのです」

つまり、まだ言葉がわからない子供であっても木に触れることでリラックスするという結果が出たのだ。これは「木は体にいい」という先入観がない状態であっても、人は木によって癒されることが実証されたと言える。

「子供には木が必要だ」と、名作玩具は語っている。

〈海の生き物〉
イタリアの巨匠、エンツォ・マーリがデザインした知育玩具。一枚の木をカットすることで16の海の生物を生み出し、積木&パズルにしたマーリならではの天才的玩具。動物バージョンもある。〈16PECHI〉62,000円(ダネーゼ/クワノトレーディング TEL 03 5825 3053)
〈アルファベットブロックス〉
デンマークのデザイナー、カイ・ボイスンによる33個の直線のブロックと33個の曲線のブロックからなる知育玩具。小学校のアルファベット教育のために生み出された。16,000円(Mid-Century MODERN https://mid-centurymodern.com)
〈イームズ エレファント〉 
アメリカの巨匠、イームズ夫妻によるデザイン。成形合板の実験のために試作されたエレファントは、後にイームズの子供にプレゼントされた。〈イームズ エレファント プライウッド〉グレー157,000円(ヴィトラ TEL 0120 924 725)

日本人の感覚からするとこれらの研究結果は当然のようにも思えるが、改めて科学的に実証されたことは重要だ。特に、幼い子供が木と触れる機会を増やすことは大切だという考えにも科学的な根拠が与えられるからだ。

木が人に与える特別な影響。ウェグナーでなくても、多くの偉大なデザイナーはそのことに自覚的だった。特に子供のための玩具をデザインした巨匠たちは、それが木でできていることが重要だと考えていたはずだ。エンツォ・マーリの魚や動物のパズル、カイ・ボイスンのアルファベットブロックス、イームズのプライウッドによるエレファントなど、巨匠デザイナーによる木の知育玩具やおもちゃの名作は数多い。そしてそれは無垢の手触りを生かしていたり木目を前面に出すなど、木製であることを強調するデザインとなっている。これは木に触れることで子供の五感は発達する、という直感が彼らの中にあったからではないだろうか。

いま、求められる進化した木造住宅とは?

〈シャーウッド〉のピットリビングからリビング、ダイニングスペースを臨む。柱のない大空間「ファミリー スイート」は、従来の木造住宅では実現が難しく〈シャーウッド構法〉ならではのもの。段差の違いによっていくつかの空間にゆるやかに分かれている。
ダイニングから大きな開口部を経て中庭に通じるシャーウッド独自の「クリアビューデザイン」。中庭と室内の床に段差がなくフラットに繋がることで、植栽のグリーンを室内に取り込むことができる。同様に天井も、室内から中庭へとフラットに繋がっている。
植栽が溢れる中庭スペースを見下ろす。「ベルバーン」と名付けられた陶版外壁(写真左)は焼きものと同じ工程で作られる。釉薬を使うことで半永久的に色褪せせず、高い耐久性を誇る。
いま木造建築の人気はますます高くなり、近年の巨大な公共建築にも木がふんだんに使われている。断熱性に優れ湿気を吸収するという素材としての優秀さも大きな理由だが、そこには木の空間にいると「なにか落ち着く」という心理的な理由も大きいはずだ。

「木の住空間が人に与える影響についての研究が、最近ますます進んでいます。例えば、内装の45%以上が木の空間で寝ると睡眠の質が向上するという研究や、あるいは木を使ったオフィスでは働く人の疲労感が少なくなるという研究もあります」

つまり、研究レベルでも実感レベルでも、木造の住空間にますます注目が集まっているのが現在なのだ。

一方で、より自分がリラックスできる住空間を実現するという意味では、木造技術の進歩にも注目する必要がある。積水ハウスの〈シャーウッド〉は木造の可能性を追求している住宅だが、なによりその設計の自由度が魅力だ。〈シャーウッド構法〉と呼ばれる独自の木造軸組構法により、高い耐震性や耐久性を保ちつつ、大きな開口部によって室内と戸外をなめらかに一体化するデザイン、断熱性の高い快適な住空間を実現できるのが特徴だ。

進化した木造構造技術によって自由度の高い空間を生み出し、その床、柱、壁などに現れた木によって私たちの五感は柔らかく刺激される。〈シャーウッド〉がもたらすのは、技術に裏打ちされたより自由で温もりに包まれた住空間であり、それは今の時代が強く求めている住宅の姿だと言える。

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積水ハウスの木造戸建て注文住宅〈シャーウッド〉は高い技術が可能にした自由な空間設計により、「進化する木造住宅」として独自のブランドを築いている。https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/products/shawood/
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