VEHICLE
Chill CARS|気迫すら感じる、機能主義に徹したロングセラー。
『カーサ ブルータス』2022年3月号より
February 12, 2022 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
クルマが果たす役割には、人間の力だけでは不可能な悪路を乗り越えることも含まれる。それを叶える四輪駆動車は、古くから軍用・農業・林業などの過酷な環境下で、道具として活躍してきた。
1951年に《BJ型》として誕生した、日本を代表する四輪駆動車《ランドクルーザー》は、戦前の軍用車にルーツを持つ。《BJ型》は、後の陸上自衛隊となる、警察予備隊向け車両への納入を目指した、和製の《ジープ》的なモデルでもあった。
1960年から1984年まで生産された3代目モデル《40系》も、ヘビーデューティーユースに向けた、悪路走破性に重きを置く性格が持たされていた。また、山林や砂漠などから乗員を無事に帰還させる、過酷なミッションを可能とする性能も求められた。クルマが果たす役割としては、究極的である。そのため《40系》には、乗用車的な快適性はほぼ与えられておらず、内外装の各部品は、与えられた機能を満たせば良い、という徹底した潔さに溢れている。余分な要素を削ぎ落とした、機能性が高い道具のようなイメージだ。機能を極限まで突き詰めた製品だけが持つ、気迫さえ感じられる。
快適性が必要な現在において、SUVは悪路を気軽に難なく走れることができる。一方で《40系》は、乗りこなすにも腕力が必要だ。しかし、究極の役割を果たせる和製《ジープ》という存在感は、今日発売されているSUVでは、決して得られないものなのである。
1960年から1984年まで生産された3代目モデル《40系》も、ヘビーデューティーユースに向けた、悪路走破性に重きを置く性格が持たされていた。また、山林や砂漠などから乗員を無事に帰還させる、過酷なミッションを可能とする性能も求められた。クルマが果たす役割としては、究極的である。そのため《40系》には、乗用車的な快適性はほぼ与えられておらず、内外装の各部品は、与えられた機能を満たせば良い、という徹底した潔さに溢れている。余分な要素を削ぎ落とした、機能性が高い道具のようなイメージだ。機能を極限まで突き詰めた製品だけが持つ、気迫さえ感じられる。
快適性が必要な現在において、SUVは悪路を気軽に難なく走れることができる。一方で《40系》は、乗りこなすにも腕力が必要だ。しかし、究極の役割を果たせる和製《ジープ》という存在感は、今日発売されているSUVでは、決して得られないものなのである。
country: Japan
year: 1960-84
seats: 4
size: L3,915×W1,665×H1,940mm
price: approx 4,200,000 yen
special thanks to SMAC JAPAN TEL 04 2941 3326
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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