FOOD
建築家が作るクロワッサン!? 上林剛典による“まちのパン屋”〈PLAT〉が駒沢公園前に移転オープン。
『カーサ ブルータス』2025年1月号より
December 12, 2024 | Food | a wall newspaper | photo_Kenya Abe text_Housekeeper
オフィス兼クロワッサン専門店PLATが駒沢公園に移転オープン。上林剛典の語る、理想の建築事務所像について聞きました。
三軒茶屋のクロワッサン専門店として人気を博した〈PLAT〉が駒沢公園のすぐそばに移転オープンした。入口から向かって右に広がる店舗は、左側がベーカリーカフェのイートイン、右奥が建築事務所として使用される “まちにひらいた” 構造。異色の2業態を運営するPLATの代表で建築家の上林剛典に話を聞いた。
「建築は、街や人のことを常に考える仕事なのに、考える場所が窮屈だなと感じたんです。もっと街の空気や暮らしを感じて仕事をしたいと、三軒茶屋の店を始めました。せっかく店を始めるのなら、作品として突き詰めたものを作ろうと、クロワッサンを専門にしました。当時、時間の蓄積を記憶する “建築” と、時間を帯びてパンが膨らむ “発酵” にシンパシーを感じていたこともあって、ビビッときたんです」
「建築は、街や人のことを常に考える仕事なのに、考える場所が窮屈だなと感じたんです。もっと街の空気や暮らしを感じて仕事をしたいと、三軒茶屋の店を始めました。せっかく店を始めるのなら、作品として突き詰めたものを作ろうと、クロワッサンを専門にしました。当時、時間の蓄積を記憶する “建築” と、時間を帯びてパンが膨らむ “発酵” にシンパシーを感じていたこともあって、ビビッときたんです」
しかしビジネスが成長するにつれ、PLATはオフィスとベーカリーの営業が次第に分断されていった。「これでは街の空気を感じられない」と、さらなる街との繋がりを求め移転を決意。現在のPLATには自分たちの手でリノベーションを加え、建築が経験してきた歴史の跡があえて残されている。
「どんな施工がされていたのかによって剥がし方が変わるので、電動ケレンで斫ったり、研磨機で削ったり磨いたりすると、出てくる躯体のテクスチャーや表情が違うんです。元々の躯体はすべて同じ見た目だったはずなんですけどね。建築本来の姿とそこに蓄積していく歴史をデザインとして残しているのが、PLATの内装です」
「どんな施工がされていたのかによって剥がし方が変わるので、電動ケレンで斫ったり、研磨機で削ったり磨いたりすると、出てくる躯体のテクスチャーや表情が違うんです。元々の躯体はすべて同じ見た目だったはずなんですけどね。建築本来の姿とそこに蓄積していく歴史をデザインとして残しているのが、PLATの内装です」
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