DESIGN
「インゲヤード・ローマン」展、簡潔な器ににじむ感性|土田貴宏の東京デザインジャーナル
September 21, 2018 | Design | casabrutus.com | photo_Masanori Kaneshita text_Takahiro Tsuchida
スウェーデンで1960年代から活動し、ガラスや陶磁器のデザインを多く手がけるインゲヤード・ローマンは、現在もその第一線にいる。〈東京国立近代美術館工芸館〉で始まった個展の会場で、来日した彼女にインタビューした。
装飾のない純粋なフォルムを好み、ごく限られた色だけを用いることから、インゲヤード・ローマンにはストイックな求道者のイメージがあるかもしれない。しかし彼女の人柄はソフトな印象で、どちらかというと話好き。デザインに関して自身の思いを雄弁に語る一面もある。
「この数十年間、私のデザインに対する考え方は基本的に同じです。大切なのは、美しさ、機能性、量産できること、そしてそして金額に見合った価値。この4つの要素でできた四角が私のデザイン。仕事によって四角の形やスケールは変わるけれど、四角であることは常に変わらないのです」
「この数十年間、私のデザインに対する考え方は基本的に同じです。大切なのは、美しさ、機能性、量産できること、そしてそして金額に見合った価値。この4つの要素でできた四角が私のデザイン。仕事によって四角の形やスケールは変わるけれど、四角であることは常に変わらないのです」
〈東京国立近代美術館工芸館〉で12月9日まで開催の「インゲヤード・ローマン」展は、彼女の長年にわたる活動の軌跡を伝えるものだ。その作風は、共通して心休まるような穏やかさと静けさがありながら、様々な試みによって彩られている。
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土田貴宏
つちだ たかひろ デザインジャーナリスト、ライター。家具やインテリアを中心に、デザインについて雑誌などに執筆中。学校で教えたり、展示のディレクションをすることも。
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