DESIGN
ミラノサローネ2018報告 #1 / デザイナー by 土田貴宏
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
| Design | photo_Francesco Dolfo (Lindsey Adelman, Raw Edges) illustration_Yoshifumi Takeda text_Takahiro Tsuchida
年に一度、4月のミラノはお祭り騒ぎ! 世界の家具メーカーが一斉に新作を発表します。今年、4人のジャーナリストがそこで見つけたものは…? まずはデザインジャーナリストの土田貴宏から。
毎年4月のミラノサローネ国際家具見本市、そして同時期のミラノ・デザインウィークといえば、インテリア界にとって1年で最大のイベント。今年は例年以上に街中に人があふれ、行列のできる展示が目立っていた。
その開催に先駆けて、ミラノサローネ代表のクラウディオ・ルーティは初のマニフェストを発表。サローネとミラノ市がより連携を強化すると謳った。また一説にはブレグジットの影響で、ロンドンからミラノへデザイン関係者が移動しているとか。この街は、国際的なデザイン首都として不動の存在になりつつあるようだ。
そんな状況を背景に、クルマやファッションに加えてテック系もデザインウィークに参入し、カオス状態はヒートアップ。一方、家具や照明のブランドは世界観の発信に力を入れ、空間のプロとしての矜持を見せる。新進デザイナーの台頭も勢いが増すばかりだ。
デザインに興味があるなら、こんなに楽しい場所はないと実感させてくれたミラノの1週間。来年の4月が今から待ち遠しい。
その開催に先駆けて、ミラノサローネ代表のクラウディオ・ルーティは初のマニフェストを発表。サローネとミラノ市がより連携を強化すると謳った。また一説にはブレグジットの影響で、ロンドンからミラノへデザイン関係者が移動しているとか。この街は、国際的なデザイン首都として不動の存在になりつつあるようだ。
そんな状況を背景に、クルマやファッションに加えてテック系もデザインウィークに参入し、カオス状態はヒートアップ。一方、家具や照明のブランドは世界観の発信に力を入れ、空間のプロとしての矜持を見せる。新進デザイナーの台頭も勢いが増すばかりだ。
デザインに興味があるなら、こんなに楽しい場所はないと実感させてくれたミラノの1週間。来年の4月が今から待ち遠しい。
Giacomo Moor
フォーカスしたいのは、自分の道を極めるデザイナーだ。近年、活気づいているイタリアの新進デザイナーたち。アメリカや中国も勢いがあり、国際色がより豊かに。時代も世代も超えて自己流を貫く才能が目立ってきた。
行列や入場制限が当たり前だった今年、ステファン・ディーツが新作を発表した〈ヘイ〉や、マイケル・アナスタシアデスを初起用した〈カッシーナ〉は大混雑。しかしひっそりと行われる展示で目覚ましい才能に出会えるのも、ミラノの奥深さだ。マイベストはイタリアの新鋭、ジャコモ・モール。街はずれの美術工房の一角に、伝統的なアーチ橋の構造を参照した木工家具が並ぶ光景は忘れがたい。
一躍、脚光を浴びる存在になったエリザ・オッシノも、裏通りのギャラリーで観た〈SEM〉の展示が秀逸。プロダクトから空間まで的確かつ完璧にフィニッシュする、まさにセンスの塊だ。
アメリカ勢でタッグを組んだリンゼイ・アデルマンや、中国がモチーフの空間構成が冴えたネリ&フーも底力を発揮。コンテンポラリーデザインに国境はない。あとは1つでも多くのアイテムが、いずれ日本上陸を果たしますように。
行列や入場制限が当たり前だった今年、ステファン・ディーツが新作を発表した〈ヘイ〉や、マイケル・アナスタシアデスを初起用した〈カッシーナ〉は大混雑。しかしひっそりと行われる展示で目覚ましい才能に出会えるのも、ミラノの奥深さだ。マイベストはイタリアの新鋭、ジャコモ・モール。街はずれの美術工房の一角に、伝統的なアーチ橋の構造を参照した木工家具が並ぶ光景は忘れがたい。
一躍、脚光を浴びる存在になったエリザ・オッシノも、裏通りのギャラリーで観た〈SEM〉の展示が秀逸。プロダクトから空間まで的確かつ完璧にフィニッシュする、まさにセンスの塊だ。
アメリカ勢でタッグを組んだリンゼイ・アデルマンや、中国がモチーフの空間構成が冴えたネリ&フーも底力を発揮。コンテンポラリーデザインに国境はない。あとは1つでも多くのアイテムが、いずれ日本上陸を果たしますように。
Elisa Ossino
Lindsey Adelman
Stefan Diez
収納家具の《ニューオーダー》に様々なオプションをプラスしてオフィスシステムへと進化。組み立てが簡単で、変化するオフィスに対応する。その開発にはコワーキングスペースの〈WeWork〉も協力した。
Neri&Hu
屋内に路地のような空間をつくって製品をスタイリングしたインスタレーション。壁面の写真や色使いによって演出したスタイリッシュな中国趣味が、ミラノ・デザインウィークの中でひときわ新鮮だった。
Loading...
