ヴァシュロン・コンスタンタンの修復技術を巡る心揺さぶる物語がヴェネチアで披露された。
| Design, Art, Culture | PR | text_Norio Takagi
Photo Gallery写真ギャラリー

切削機械でゴールドの塊から大まかにケースを成形した後、手でヤスリ掛けしてディテールを形作る。

ロゴとインデックスをエッチングした原盤(写真右側)に手でインクをすき入れ、ゼラチンとアルコールを混ぜて半球状に形作ったパッドに転写。それをダイヤルに押し付けプリントするパッド(タンポ)印刷。

手作業によるロゴのリダン(再生)。筆の穂先の細さに、驚かされる。息をつめての実に繊細な作業だ。

スティール製の針を、アルコールランプの炎で熱しブルーに発色させる。こうして出来上がった青い酸化被膜は化学的に安定し、鮮やかな青を長く保つ。

ムーブメントのダイヤル側全面に伝統的なペルラージュ(パール状)装飾を施す。使用するのは、回転する硬質ゴム。円の重ね具合は、職人のセンスと技術に委ねられる。裏側も全面に施し、機械加工の跡をすべて消す。

弓引き旋盤で、歯車の軸の先端(ホゾ)を削り、磨き上げる。キズ見と呼ばれるルーペを着けての作業は、極めて繊細。同じ機械で歯車の刃も切っている。

手回しのフライス盤で、ムーブメントを構築するベースとなる地板を加工。ハンドルを回して切削工具を回転させ、金属盤に各パーツの形状と収まる高さに合った凹面を形作る。

ムーブメントは現行モデルも含め、すべてを手組みしている。写真は、振り子のように時をカウントする機械式ムーブメントの心臓部、テンプの組み込み。
Loading...