
クアラルンプール国際空港
Kuala Lumpur International Airport(1998)
by Kisho Kurokawa
- Photo: AFLO
- Text: Masayuki Fuchigami
- Editor: Ai Sakamoto
1998年開港。設計:黒川紀章。マレーシアの空の玄関口としてつとに著名なのが、この〈クアラルンプール国際空港〉。そのコンセプトは、「森の中の空港、空港の中の森」というマレーシアならではの、豊富な緑に覆われた大地を象徴したものである。広いターミナル内部には、樹木が密生したガラス張り逆円錐形の中庭がそこかしこに配され、多量の光と緑を導入するダイナミックなプランに驚かされる。まさに空港の中の森である。建物外観を見ると、円錐形のコラムが支持するHPシェルの屋根が、エッジ部分に連続する独特のフォルムが特徴。さらに方形屋根が密集し、その4つの稜線部分がトップライトとなって内部空間を自然光で満たしているのが素晴らしい。