
ブラジリア
Brasilia(1960)
by Lucio Costa, Oscar Niemeyer
- Photo: Kazuhiro Koide
- Text: Tatsuo Iso
1960年完成。都市計画:ルシオ・コスタ、建築設計:オスカー・ニーマイヤー。首都移転を強力に推進するクビチェク大統領の主導により、ブラジル内陸部の何もなかった高原に、わずか5年で出現した人工都市。コンペで選ばれたコスタの基本計画は、弓状にカーブする道路とそれに直交する道路を軸線とする、翼を広げた飛行機のような形状。そこにニーマイヤーが国会議事堂、最高裁判所、大統領府、外務省をはじめとした庁舎、カテドラルなど、首都を形づくる主要な建物すべてを設計した。モダニズムの建築家たちが理想とした都市計画の理念に、圧倒的な建築の造形力を加味して実現した、20世紀を代表する新都市である。 ブラジリアへはリオデジャネイロやサンパウロから飛行機で2時間弱。空港から市の中心部へはタクシーで30分ほど。