CULTURE
【本と名言365】アリス・ウォータース|「良い材料を集めることが…」
September 2, 2023 | Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Keiko Kamijo illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。「美味しい食の革命」を実践する人気レストラン《シェ・パニース》のアリス・ウォータース。50年以上にわたる活動の中で変わらない彼女の哲学とは。
良い材料を集めることが、レシピや技術よりも大切だということです。
「オーガニック料理のカリスマ」「食の活動家」などと呼ばれ、カリフォルニアのバークレーにある一軒のオーガニック・レストラン《シェ・パニース》から世界へ食の大切さを訴え続けるスロー・フードの提唱者アリス・ウォータース。
彼女の取り組みは「美味しい食の革命」と評され、2015年にはオバマ元大統領より米国人文科学勲章を授与。教育活動や環境保全活動等で数々の賞を受賞している。《シェ・パニース》は、全米で最も予約がとれない人気レストランであると同時に、世界中の料理人が考え方を学びたいと修業に訪れる場所でもあり、多くの卒業生たちが様々な場所で美味しい料理と哲学を実践する。冒頭に引用した言葉は、ウォータースが常に強調していることであり、彼女の料理哲学の根底にあるものだ。
「丹精込めて育てられ、旬の時期に収穫され、すぐに生産者から直接レストランに届けられた食材なら、料理は自然とおいしくなる」
と彼女は述べるが、新鮮なオーガニック食材が手に入るのは、何もレストランだけの特権ではない。近所のファーマーズ・マーケットに行けば誰もが新鮮な食材を購入できる。そして、自分たちが毎日食べるものを作っている人たちのことを知ることは、自分が住む土地のコミュニティを形成することに繋がり、ひいては地球環境へと想像を膨らませることができるという。また、場所柄そのようなマーケットがない場合は、近所の店に地元の新鮮な食材を置いて欲しいと訴えかけてみようと人々に行動を促す。
《シェ・パニース》が開店してから50年以上の月日が経つが、ウォータースが説く哲学は何も変わらない。毎日の個人単位での小さな活動が、世界を変えていくのだ。
「オーガニック料理のカリスマ」「食の活動家」などと呼ばれ、カリフォルニアのバークレーにある一軒のオーガニック・レストラン《シェ・パニース》から世界へ食の大切さを訴え続けるスロー・フードの提唱者アリス・ウォータース。
彼女の取り組みは「美味しい食の革命」と評され、2015年にはオバマ元大統領より米国人文科学勲章を授与。教育活動や環境保全活動等で数々の賞を受賞している。《シェ・パニース》は、全米で最も予約がとれない人気レストランであると同時に、世界中の料理人が考え方を学びたいと修業に訪れる場所でもあり、多くの卒業生たちが様々な場所で美味しい料理と哲学を実践する。冒頭に引用した言葉は、ウォータースが常に強調していることであり、彼女の料理哲学の根底にあるものだ。
「丹精込めて育てられ、旬の時期に収穫され、すぐに生産者から直接レストランに届けられた食材なら、料理は自然とおいしくなる」
と彼女は述べるが、新鮮なオーガニック食材が手に入るのは、何もレストランだけの特権ではない。近所のファーマーズ・マーケットに行けば誰もが新鮮な食材を購入できる。そして、自分たちが毎日食べるものを作っている人たちのことを知ることは、自分が住む土地のコミュニティを形成することに繋がり、ひいては地球環境へと想像を膨らませることができるという。また、場所柄そのようなマーケットがない場合は、近所の店に地元の新鮮な食材を置いて欲しいと訴えかけてみようと人々に行動を促す。
《シェ・パニース》が開店してから50年以上の月日が経つが、ウォータースが説く哲学は何も変わらない。毎日の個人単位での小さな活動が、世界を変えていくのだ。
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