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永く使い継ぐ〈無印良品〉のマスターピース。
『カーサ ブルータス』2024年3月号より
February 16, 2024 | Design | PR | photo_Yuji Ono(atelier GRIZOU), Yoshikazu Shiraki(Tatsuya Tanaka), Shuhei Tonami(Hiroshi Ito) text_Izumi Fily-Oshima(atelier GRIZOU), Sawako Akune(Tatsuya Tanaka), Housekeeper(Hiroshi Ito)
気づけばいつもそばにある、〈無印良品〉のアイテム。気に入ったものを直したり、買い足したりしながら、10年以上も使い続けている”永遠の定番商品”をクリエイターに聞きました。
●フランス、日本、フランスと 国を超えて使い続けるシェルフ。
25年前、パリ近郊で暮らしていたアトリエ・グリズーのグレゴワール・ダンタンと小野千寿は、寝室用に棚を探していた。
「モノは少ししか持たず、すべてが目に見える収納にしたい」。二人の希望にぴったり合ったのが、パリにできたばかりの〈無印良品〉で見つけた《スチールユニットシェルフ》だった。
数年後、東京に拠点を移した時にパリに残していったが、東京でもまた同じシェルフを購入。そして10年後にフランスに戻り、南仏で田舎暮らしを始めた時には、その2つを合体させ、横長のシェルフにした。現在は大きな作業台のあるアトリエで、解体した木箱のパーツや工具を収納するために使っている。
「モノは少ししか持たず、すべてが目に見える収納にしたい」。二人の希望にぴったり合ったのが、パリにできたばかりの〈無印良品〉で見つけた《スチールユニットシェルフ》だった。
数年後、東京に拠点を移した時にパリに残していったが、東京でもまた同じシェルフを購入。そして10年後にフランスに戻り、南仏で田舎暮らしを始めた時には、その2つを合体させ、横長のシェルフにした。現在は大きな作業台のあるアトリエで、解体した木箱のパーツや工具を収納するために使っている。
「スイスの書体デザイナー、アドリアン・フルティガーは『活字は、あまり存在感があってはいけない、使って邪魔にならないものがいい』と言っています。〈無印良品〉のアイテムを使ううちに実感したのが、まさにその点。どんな空間にも合い、無駄な主張はしない。木箱やメタル製のトランク、プラスチックのケースなど、さまざまな箱がうまく収まる、とてもよく考えられたサイズです」とダンタン。
ダンタンが纏っているヘンプ素材のジャケットは、日本で暮らしていた2007年に〈無印良品〉で見つけて気に入り、2枚購入して洗い替え、ヘビーユースしているもの。1枚は青く染め直してほつれた部分を補修した。時と共に一層「自分のもの」らしくなり、愛着が湧いているそうだ。
オフィスの本棚には、長年二人が書き溜めた無印良品のダブルリングノートがずらりと並んでいる。その隣には、旅行記のためのスケッチブック。このフランス製のスケッチブックは数年の間に何度も仕様が変更されてしまったという。一方、無印良品のロングセラー《ダブルリングノート》は紙質が改良されることがあっても外観は変わらない。
「ずっと同じものを作ってくれているから、安心して使い続けています。同じデザインでありながら紙質は改良されていて、絵の具やペンが滲まずに書きやすくなっていることもすばらしいのです」と、グリズーの二人は声を揃える。
息子が幼かったころにお絵描き用に買って以来、自分たちも使い続けているという《水性サインペン》や、気になった新聞や雑誌の記事を集めているバインダーなど、二人のオフィスには〈無印良品〉のアイテムが溢れている。
「ずっと同じものを作ってくれているから、安心して使い続けています。同じデザインでありながら紙質は改良されていて、絵の具やペンが滲まずに書きやすくなっていることもすばらしいのです」と、グリズーの二人は声を揃える。
息子が幼かったころにお絵描き用に買って以来、自分たちも使い続けているという《水性サインペン》や、気になった新聞や雑誌の記事を集めているバインダーなど、二人のオフィスには〈無印良品〉のアイテムが溢れている。
「人とモノとの関係」を考え、有楽町の〈Atelier MUJI〉や、香港、フランスで展示会を企画してきたアトリエ・グリズー。モノは、人を助け生活が良くなるためにあるはずなのに、なぜ今、溢れるモノが問題になっているのか? そしてあるものをどのように使うべきかを問い続けてきた。
現在二人は南仏のセヴェンヌ山脈の街ル・ヴィガンで暮らしているが、東京の小学校で廃棄処分されるはずだった机や椅子、解体される煎餅屋で使われていた柳宗理の秤、捨てられていた金属製の引き出しなどを持ち帰り大切に使っている。庭を闊歩する3羽の鶏の生む卵や、家庭菜園で育てた野菜を食し、自動車には乗らず自転車とバスや電車で移動する二人の生活には、さまざまな〈無印良品〉が溶け込んでいる。
現在二人は南仏のセヴェンヌ山脈の街ル・ヴィガンで暮らしているが、東京の小学校で廃棄処分されるはずだった机や椅子、解体される煎餅屋で使われていた柳宗理の秤、捨てられていた金属製の引き出しなどを持ち帰り大切に使っている。庭を闊歩する3羽の鶏の生む卵や、家庭菜園で育てた野菜を食し、自動車には乗らず自転車とバスや電車で移動する二人の生活には、さまざまな〈無印良品〉が溶け込んでいる。
アトリエ・グリズー
グレゴワール・ダンタンと小野千寿のデザインユニット。フランスと日本を拠点にイラスト、デザイン、展示企画の分野で活動。2002年から2011年まで有楽町〈Atelier MUJI〉(現在は閉店。無印良品銀座6階にて営業中)での企画展に関わる。
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