DESIGN
【今週の花と器】アケビバナナと〈E&Y ホリゾンタル〉の《ポッツ》|9月
September 4, 2023 | Design | casabrutus.com | photo_Kiyoe Ozawa styling_Yumi Nakata text_Yoshikatsu Yamato
9月1週目の担当は、祐天寺にある花屋〈チビ〉を営む芳賀規良さん。夏の暑さが長引き、気力、体力ともにバテてしまうこともある季節。たっぷりと水を受け止めるおおらかな陶器に、パワフルなアケビバナナを活けてみませんか。口が広い器に頭が重たい植物を活けるときの工夫や、注ぎ口があるデザインの器にさりげなく花を活けるコツを聞きました。
まだまだ残暑が続く9月の初旬は、夏の疲れが出てくる頃。オブジェのような力強さがあるアケビバナナにパワーをもらえるのではないかと。今回は、口が広く、大きな花器ですが、埋めずに隙間を残しています。バナナを増やすと陶器の肌の分量が減って器の印象が弱くなりバランスが崩れる。なので一輪挿し。物体の個性をぶつけるような意識で潔くまとめました。水面が見えるのも涼しげですよね。
頭が重たいものを口が広い器に活けるとき、重心がさだまらないと植物はくるくると転がりやすい。そこでちょっとした技術をひとつ。それは、茎の切り方の工夫です。水の吸い上げをよくするために斜めに切るのは基本ですが、その断面が、器の底にぺたっと平らにつくような角度で切る。そうすると安定するのです。
また、この器には左右に水の注ぎ口がありますよね。こうしたデザインのものに花を活けるときは、注ぎ口と花の関係を、臨機応変に考えたらといいと思います。注ぎ口に花を傾けて安定させるために利用するのもいいのですが、そうすると器の特徴を拾うことになり、飾る人間の作為が見えてくる。繊細な花を合わせるのだとしたら、そのように、花を程よく演出するとバランスがいい場合もあるでしょう。けれど、今回は注ぎ口からずらしました。色、形ともに迫力のある植物を活けるときは、器の特徴にがちっとハマる活け方をすると「やりすぎ」な感じが出てしまう。何気なく入れたような佇まいのほうが、この器とアケビバナナのバランスはより良いだろうと思ったのです。
頭が重たいものを口が広い器に活けるとき、重心がさだまらないと植物はくるくると転がりやすい。そこでちょっとした技術をひとつ。それは、茎の切り方の工夫です。水の吸い上げをよくするために斜めに切るのは基本ですが、その断面が、器の底にぺたっと平らにつくような角度で切る。そうすると安定するのです。
また、この器には左右に水の注ぎ口がありますよね。こうしたデザインのものに花を活けるときは、注ぎ口と花の関係を、臨機応変に考えたらといいと思います。注ぎ口に花を傾けて安定させるために利用するのもいいのですが、そうすると器の特徴を拾うことになり、飾る人間の作為が見えてくる。繊細な花を合わせるのだとしたら、そのように、花を程よく演出するとバランスがいい場合もあるでしょう。けれど、今回は注ぎ口からずらしました。色、形ともに迫力のある植物を活けるときは、器の特徴にがちっとハマる活け方をすると「やりすぎ」な感じが出てしまう。何気なく入れたような佇まいのほうが、この器とアケビバナナのバランスはより良いだろうと思ったのです。
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