DESIGN
空き家から100年前の箪笥をレスキュー! 〈家’s〉のアップサイクル家具。
『カーサ ブルータス』2023年4月号より
March 11, 2023 | Design | a wall newspaper | text_Housekeeper
富山県高岡市で空き家のアップサイクル家具を製作する〈家’s〉。古家具の可能性を切り拓くプロジェクトの全貌を聞きました。
この20年で1.8倍、820万戸に及び、社会課題となっている空き家問題。富山県の〈家’s(イエス)〉プロジェクトはそこに風穴を開けるかもしれない。空き家に赴いて100年近く経過した箪笥を “レスキュー” し、アップサイクル家具《P/OP(tansu×acrylic)》として加工販売。100年近く経った古箪笥と蛍光色のアクリル板のコントラストが新鮮だ。プロジェクトの創始者・伊藤昌徳さんに話を聞いた。
「空き家の残置物のうち、骨董としての価値があるものは約10%。でも本当はもっとあるのでは? と思ったのがきっかけです。
箪笥って基本的に背面が壊れるんです。正面から見えないところだから、例えば前から見える3面は桐だけど背面は薄い杉、などグレードが違うことが多い。それで古箪笥を普通に桐で修復しておもしろいんだっけ、と考えて、桐の特徴である軽さと加工のしやすさを受け継いだ現代の素材はアクリルだと思ったんです」
「空き家の残置物のうち、骨董としての価値があるものは約10%。でも本当はもっとあるのでは? と思ったのがきっかけです。
箪笥って基本的に背面が壊れるんです。正面から見えないところだから、例えば前から見える3面は桐だけど背面は薄い杉、などグレードが違うことが多い。それで古箪笥を普通に桐で修復しておもしろいんだっけ、と考えて、桐の特徴である軽さと加工のしやすさを受け継いだ現代の素材はアクリルだと思ったんです」
「古い箪笥はとの粉(木材に使う石を細かく砕いた塗料)が日射とカビで黒くなっているのですが、水とたわしでゴシゴシ洗って落とすと無垢の色になります。そこに真逆ともいえるアクリルの蛍光色を組み合わせることで、新しい表情になりました」
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