DESIGN
過去と未来が調和する、骨董×現代アートの新たな試み。
June 9, 2021 | Design, Art | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Akiko Konishi editor_Keiko Kusano
クリエイティブディレクター、南雲浩二郎がこれからの骨董の在り方を発信する企画展『resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo』が東京・神宮前の〈MAHO KUBOTA GALLERY〉で開催中だ。
今年の3月、〈ヤエカ ホーム ストア〉で開催され好評を博した企画展『resilience(レジリエンス)』。既成概念に捉われがちな骨董を、今の暮らしに寄り添うスタイルで提案、新しい価値や用途で継承していくことを目的とし、これまで骨董の世界に足を踏み入れ難かった人々にも門戸が開放された、新たな試みだ。
2回目の開催となる本展は、コンテンポラリーアートを扱う〈MAHO KUBOTA GALLERY〉オーナーの久保田真帆がセレクトした、ジュリアン・オピーらの作品たちと共存をはかるというもの。
「単にギャラリーで骨董市を……ではなく、過去の長い時間を包含する骨董と、今現在起こっている事象を受け止めて、未来へのメッセージを語るコンテンポラリーアート作品を、ある意味で等価ととらえる。過去と未来が同居する空間で、今そこにいる我々が時間と価値を繋いでゆく役割を担う感覚です」と語る南雲氏。
2回目の開催となる本展は、コンテンポラリーアートを扱う〈MAHO KUBOTA GALLERY〉オーナーの久保田真帆がセレクトした、ジュリアン・オピーらの作品たちと共存をはかるというもの。
「単にギャラリーで骨董市を……ではなく、過去の長い時間を包含する骨董と、今現在起こっている事象を受け止めて、未来へのメッセージを語るコンテンポラリーアート作品を、ある意味で等価ととらえる。過去と未来が同居する空間で、今そこにいる我々が時間と価値を繋いでゆく役割を担う感覚です」と語る南雲氏。
長きに渡り、日本、世界の各地へと赴きジャンク品から高額なものまであらゆる「美しきもの」とその価値に触れてきた南雲にとって、現代アートと骨董はプライベートでも日常の一コマだという。
今回のために用意された、古くは16世紀から1950年代に至るまでの作家不詳のものおよそ100点は、日本、韓国、中国、台湾、インドネシア、インド、ノルウェー、スウェーデン、イタリア、ルーマニアにドイツまで、国や文化や時代、本来の用途も質感も異なる美しきものたちだ。南雲の審美眼によってセレクトされた、これらの品々とその想いを受け、久保田がキュレートした作品はジュリアン・オピー 、小川信治、多田圭佑、テイラー・キビーの4作品。いずれも「時」をテーマに、未来、現在、過去の時空を往来しあい、訪れる人々を介在することで骨董との軽やかな調和を果たしている。また、南雲自らによってスタイリングされた空間は、それぞれの秩序と均衡を保ちながらも、温かみある親和性を醸し出していた。
今回のために用意された、古くは16世紀から1950年代に至るまでの作家不詳のものおよそ100点は、日本、韓国、中国、台湾、インドネシア、インド、ノルウェー、スウェーデン、イタリア、ルーマニアにドイツまで、国や文化や時代、本来の用途も質感も異なる美しきものたちだ。南雲の審美眼によってセレクトされた、これらの品々とその想いを受け、久保田がキュレートした作品はジュリアン・オピー 、小川信治、多田圭佑、テイラー・キビーの4作品。いずれも「時」をテーマに、未来、現在、過去の時空を往来しあい、訪れる人々を介在することで骨董との軽やかな調和を果たしている。また、南雲自らによってスタイリングされた空間は、それぞれの秩序と均衡を保ちながらも、温かみある親和性を醸し出していた。
「骨董をもっと違う形で知ってもらう、そんな機会があってもいいのではないかと、かねてから思っていました。今の時代にあった使い方もたくさんあるよ、ということも含めて。それに、現代アートは何も特別なことじゃなくて、日常にすっと馴染むもの。それぞれのモノや作品がもつ、本質的なところから興味を持っていただけるきっかけになれば」
“resilience”というタイトルには、回復や復元といった意味がある。「生まれ、使われた時代や場所も異なる物たちが、50年、100年、さらにそれ以上の時間を超え、時には本来の用途を失いながらも、他の場所や人、物と出逢うことにより、しなやかにその在り方を変えつつ未来へと受け継がれてゆく」──そんな想いから生まれたこの企画は、場所や題材を変えながら行われていく予定だ。骨董を基軸に発信されるさまざまな試みは、また新たな気づきをもたらしてくれるに違いない。
“resilience”というタイトルには、回復や復元といった意味がある。「生まれ、使われた時代や場所も異なる物たちが、50年、100年、さらにそれ以上の時間を超え、時には本来の用途を失いながらも、他の場所や人、物と出逢うことにより、しなやかにその在り方を変えつつ未来へと受け継がれてゆく」──そんな想いから生まれたこの企画は、場所や題材を変えながら行われていく予定だ。骨董を基軸に発信されるさまざまな試みは、また新たな気づきをもたらしてくれるに違いない。
『resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo』
〈MAHO KUBOTA GALLERY〉渋谷区神宮前2-4-7。2021年6月5日〜6月19日。12時〜19時。6月13、14日休。
南雲浩二郎
なぐも こうじろう 1990年代より、セレクトショップのVMD及び店舗内装のディレクションに携わり、国内各地から欧米、アジアまで、さまざまな国や地域の工芸や文化に触れる。2018年の『ゴードン・マッタ=クラーク展』に際しては、70年代におけるNYの”アート”と現代の”食”の親和性を模索するイベントを企画運営するなど、さまざまな文化の橋渡しを試みる。2021年4月より、幅広い切り口で骨董の価値を提案する企画展”resilience”を立ち上げた。