DESIGN
古今東西 かしゆか商店【花鋏】
『カーサ ブルータス』2021年2月号より
February 8, 2021 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & makeup_YASU editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは伝統的な鋏の産地で知られる兵庫県小野市。約80年続く工房で、花やハーブを切る美しい鋏と出会った。
家にこもることが多かった昨年の春以来、お花を飾るのが大好きになりました。そろそろ花専用の鋏が欲しいと思っていたこともあって、今回は昭和13年(1938)創業の〈多鹿治夫鋏製作所〉を訪問。昔から刃物製作が盛んだった兵庫県小野市で、4代にわたって鋏を手づくりしている工房です。
「日本の伝統的な鋏の多くは、鉄と鋼を2層にした付け鋼という材料でつくられています。鋼とは炭素が含まれた鉄のことですね」と話すのは4代目の多鹿大輔さん。現在は3代目の竹夫さんと大輔さんの二人を中心に、家族総出で何種類もの鋏をつくっています。
「日本の伝統的な鋏の多くは、鉄と鋼を2層にした付け鋼という材料でつくられています。鋼とは炭素が含まれた鉄のことですね」と話すのは4代目の多鹿大輔さん。現在は3代目の竹夫さんと大輔さんの二人を中心に、家族総出で何種類もの鋏をつくっています。
工房の原点はラシャ切鋏と呼ばれる裁鋏。長くプロ用の鋏をつくり続けてきましたが、「一般の方も使いたくなる鋏を」という大輔さんの案で、2008年に〈TAjiKA〉というブランドを始めたそうです。試しに〈TAjiKA〉の園芸鋏を使わせていただいたところ、思わず息を飲むほどの切れ味! スパッ、シャキッ、スススー。味わったことがない感触です。
「裁鋏の技術を生かしているのでよく切れるでしょう。でもそれだけじゃない。楽しく使ってもらいたいから、形のよさや持った時の雰囲気も大切にしているんです」
そう話す竹夫さんと大輔さんの案内で、80年以上続く工房へ。
大きな音が鳴り響く工房では、刃の部分を900℃ほどの炎で真っ赤に熱して成形する「鍛造」や、ひとつの鋏に何種類もの機械を使い分ける「みがき」など、さまざまな作業が行われています。
そう話す竹夫さんと大輔さんの案内で、80年以上続く工房へ。
大きな音が鳴り響く工房では、刃の部分を900℃ほどの炎で真っ赤に熱して成形する「鍛造」や、ひとつの鋏に何種類もの機械を使い分ける「みがき」など、さまざまな作業が行われています。
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