
休暇小屋〈キャバノン〉
Le Cabanon(1952)
by Le Corbusier
- Photo: Yuji Ono
- Text: Masae Takata
1952年竣工。設計:ル・コルビュジエ。南仏、地中海に突き出る小さな岬、カップ・マルタンにある海辺の休暇小屋。20世紀を代表する建築家が自身と愛妻のために建てた木造の小屋は、究極の最小限住宅。自説のモデュロール論に基づいて設計されている。小さなスツールから天井裏、仕切り壁に至るまで多機能性を帯びた室内は、小粒ながら見どころいっぱい。休暇小屋と壁一枚を隔ててつながる食堂〈ひとで軒〉、同食堂のオーナーの依頼で建てた簡易ホテル〈ユニテ・ド・キャンピング〉に加え、ル・コルビュジエの壁画が残るアイリーン・グレイの住宅〈E.1027〉も同時に見学できる。ル・コルビュジエと妻イヴォンヌの墓も、海を見下ろす丘の上にある。