〈エースホテル京都〉で堪能するコミューンデザインの編集力|川合将人のインテリアスナップ
September 18, 2020 | Design, Architecture, Art, Travel | casabrutus.com | photo_Keisuke Fukamizu text_Masato Kawai
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新築棟と保存棟の客室をつなぐ2階の廊下から見下ろすロビーのラウンジスペース。隈研吾が監修した木組みの構造物と重なるように天井から鋼管型の照明が配され、空間を華やかに演出している。〈スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ〉のエントランスにはコーヒーポットを描いた柚木沙弥郎の大胆なタペストリーがかかっている(写真左)。
こちらも2階廊下からの眺め。ラウンジと反対側には、1階から中2階、2階へと段々畑のように続くダイナミックな空間構成のバー&タコスラウンジ〈PIOPIKO(ピオピコ)〉が見える。手前のラウンジには彫刻家の宮崎直人と照明ブランド〈ニューライトポタリー〉がコラボレーションしたフロアライトが置かれていました(写真中左)。
天井の高い保存棟2階の廊下は、等間隔に並んだ太い木製の柱と相まって壮観な眺め。右側には既存にあった旧京都中央電話局の建物を利用した客室が並び、左側の窓は新風館の中庭に面している。
保存棟3階の廊下は、京都中央電話局時代からの連続するアーチ状の意匠が印象的。2トーンに色分けされた壁も含めて廊下は落ち着いた色調でまとめられていて、バーやロビーなどの華やかな空間と好対照をなしている。客室エリアは静かで快適。
各所に設置されていた小型の案内表示板のひとつ。こちらはウッドパネルなどを組み合わせて作られていて、細かな造りに感動してしまった。ここで使用されている独特の力強いフォントは90歳を超えてなお現役で活動する染色工芸家、柚木沙弥郎の手によるもの。
1階エレベーターホールの壁に使用されているのは信楽焼のタイル。サイズや形状の違う複数の種類を組み合わせたブルーやグリーン系の配色は、どことなく藍染の古布にも似た雰囲気。照明の光がタイルに反射して濃淡を強調する。
各階のエレベーターホールなどに設置されている、タペストリー型の案内表示のひとつ。ポップな配色や図形、"DIRECTORY"のフォントなども柚木沙弥郎によるものだ。
2階エレベーターホールの廊下には、しょうぶ学園の和紙で作られた照明が置かれていた。隣には懐かしい黒電話の姿も。館内の至るところにこのような演出物があるので、移動する度に発見があって楽しくなる。
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