DESIGN
安藤忠雄、槇文彦、坂茂、片山正通…。総勢16名が手がける公共トイレが渋谷に続々登場!
September 23, 2020 | Design, Architecture | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare courtesy_The Nippon Foundation text_Housekeeper
16名のクリエイターがデザインを手がけるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」。現在までに7つ完成し、9月7日には安藤忠雄が手がけた神宮通公園のトイレがオープンしました。
●安藤忠雄 神宮通公園
性別や年齢、障害に関わらず、誰もが安心して快適に利用できる公共トイレを、渋谷区17か所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」が進行中だ。
9月7日には神宮通公園に安藤忠雄が設計したトイレがオープンしたばかりだ。
「日本という国の強みは清潔と美しさ。公共のトイレを通じてこれを世界に発信するというプロジェクトの趣旨に感銘を受けた」と安藤は語る。設計のコンセプトは「風通しのいいトイレ」。スリット状の外壁は風が通り抜け、円形の屋根部分は「いざという時には雨宿りもできるように」と大きく迫り出している。
「UFOじゃないですが、"なんか面白いものが舞い降りてきた "と最初にイメージしました(笑)」
安藤がトイレの設計を手がけるのは、独立した建築としては初めてだ。これまでたくさんの公衆トイレを見てきて 「不潔やな、美しくないな」と思っていた。だから「見るだけで美しいもの」を作りたいと設計に取り組んだ。以前、この公園にも汚れたトイレが存在していたのだが「美しく作られていれば、人は汚さずに使うものだと思う」と安藤は語る。
「トイレはあくまで箱ですから。中に入って利用する人が宝です。私は箱を作ったのですが、この宝石箱によってこの公園全体を輝かすことができればいいな、と」
安藤設計のトイレを含めて現在7つが完成しており、2021年中に17箇所すべてがオープンする予定となっている。
以下、現在オープンしている個性的なトイレを紹介していこう。
9月7日には神宮通公園に安藤忠雄が設計したトイレがオープンしたばかりだ。
「日本という国の強みは清潔と美しさ。公共のトイレを通じてこれを世界に発信するというプロジェクトの趣旨に感銘を受けた」と安藤は語る。設計のコンセプトは「風通しのいいトイレ」。スリット状の外壁は風が通り抜け、円形の屋根部分は「いざという時には雨宿りもできるように」と大きく迫り出している。
「UFOじゃないですが、"なんか面白いものが舞い降りてきた "と最初にイメージしました(笑)」
安藤がトイレの設計を手がけるのは、独立した建築としては初めてだ。これまでたくさんの公衆トイレを見てきて 「不潔やな、美しくないな」と思っていた。だから「見るだけで美しいもの」を作りたいと設計に取り組んだ。以前、この公園にも汚れたトイレが存在していたのだが「美しく作られていれば、人は汚さずに使うものだと思う」と安藤は語る。
「トイレはあくまで箱ですから。中に入って利用する人が宝です。私は箱を作ったのですが、この宝石箱によってこの公園全体を輝かすことができればいいな、と」
安藤設計のトイレを含めて現在7つが完成しており、2021年中に17箇所すべてがオープンする予定となっている。
以下、現在オープンしている個性的なトイレを紹介していこう。
●坂 茂 代々木深町小公園トイレ
これまでにない画期的なトイレとして国内外で大きな話題になっている「透明トイレ」。電気が通ると透明になるフィルムが貼られており、カギをかけると曇りガラスに戻る。中がクリーンであること、安全であることが外から一目で確認できるようにと考えられたデザインで、夜にはトイレ全体が光り、行灯のように公園を照らす。
●坂 茂 はるのおがわコミュニティパークトイレ
近くにある前出の〈代々木深町小公園トイレ〉と仕組みやデザインコンセプトは同じで、こちらは色が寒色系。周辺の緑と調和するような、ブルー&グリーンの組み合わせの美しさも魅力のひとつ。トイレがきれいな状態で使われ続けることもこのプロジェクトの目標のひとつで、意識改革とともに、清掃の数を従来より増やしている。
●田村奈穂 東三丁目公衆トイレ
細い三角形をした敷地形状から導き出された、3つの三角を組み合わせたようなデザインで、最終的な造形へのインスピレーションは、日本の贈り物文化のシンボルである「折形」から得たという。遠くからも目立つビビッドな「赤」は、利用者の視認性が高いことはもちろん、目立つことでの安全性の確保も期待できる。
●片山正通/ワンダーウォール 恵比寿公園トイレ
型枠の木目が残る15枚のコンクリートの壁を組み合わせたオブジェのような佇まいが印象的。デザイナーの片山は、日本のトイレの起源にまで遡り、土や木などで作られた原始的で質素な厠をイメージしたという。壁を立てる角度を変えることで、男性用、女性用、多目的という3つの空間への動線がうまく重ならないようになっている。
●坂倉竹之助 西原一丁目公園トイレ
緑道の延長線にある公園で、夜は暗く、近寄りがたい印象もあった敷地状況をガラリと変えるべくデザインされた「行燈」としてのトイレ。木々の模様が浮かびあがる乳白の曇りガラスを使い、夜はトイレ全体が、まさに「行燈」のように光る。死角を生んでしまう待合いスペースをあえて作らず、シンプルな構成で3室すべて男女兼用。
●槇文彦 恵比寿東公園トイレ
真っ赤なタコの遊具がある公園に現れた、真っ白なイカのようなトイレ。美しく不均等なカーブを描く屋根が印象的で、その屋根の下には、休憩所となるベンチも備えられている。男性用、女性用、多目的がそれぞれ、分散で配置されており、中央には1本の桜の木が立つ中庭空間が。公園の中に現れた、小さな町のようでもある。
「THE TOKYO TOILET」プロジェクト
日本財団が実施する、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを区内17カ所に設置する プロジェクト。各トイレの詳細は、公式サイトを参照。