ロエベ クラフト プライズ2019がイサム ノグチの「天国」で開催中!
| Design, Art, Culture, Fashion | casabrutus.com | photo_Akihde Mishima text_Masae Wako
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会場は赤坂の〈草月会館〉にあるイサム ノグチの石庭「天国」。自然光が入る気持ちいい空間で、100カ国2500以上の応募作から選ばれた29のファイナリスト作品をじっくり楽しめる(ガラスケース無し! ほとんどの作品は360°鑑賞可能)。

グランプリを受賞した石塚源太の作品。「スーパーのネットに入れたオレンジがモチーフ」と石塚が話すユニークな形を、乾漆造という仏像制作にも使われる伝統手法で造りあげている。透けるような漆の美しさを、ぜひ肉眼で見てほしい!

京都にアトリエを持つ石塚源太。「伝統的な素材がもつ “新しい表現の可能性” をどうやって引き出すか。それを探るのが面白いんです」

特別賞は2名。イギリスで園芸家としても活躍する高樋一人は、サンザシの細い枝を曲げ、細かく組み合わせて構築した立体で受賞。審査員のパトリシア・ウルキオラは「素材を育てるところから始めた美しいクリエイション!」と絶賛。

イギリスのハリー・モーガンの作品。手作業で引き延ばしたガラスフィラメントとコンクリートを使っている。審査員の深澤直人いわく「素材の使い方がこれまでの伝統的な工芸とは明らかに違いますよね。デザインとしても素晴らしい」。

ファイナリストの作品より。銅板を丹念に叩いて表情をつけ成形した、井尾鉱一の作品。漆のような美しい艶と愛嬌のあるフォルムが印象的。

竹で編んだカゴと思いきや、実は錆び仕上げを施した陶器! 衝撃的な作品はイギリスの陶芸家アニー・ターナー。

目にした誰もが「すごい!」「こんなの見たことない!」と驚愕していたのが、18カラットの金を使ったイタリアの金細工職人ジョヴァンニ・コルヴァヤの作品。

韓国の喪服をヒントに極細のモノフィラメント(単繊維)を編んで創り上げたデリケートな作品は、韓国の若手アーティスト、ミンヒ・キム。

イサム ノグチの空間に美しくなじんでいたのが、韓国の紙職人ヨンソン・リーの、カゴを積み上げた塔のような作品。韓紙を使って編み上げたもの。