CULTURE
アルフレッド・ヒッチコックの名言「…はサスペンスなんだよ。」【本と名言365】
April 17, 2024 | Culture, Movie | casabrutus.com | photo_Yuki Sonoyama text_Kentaro Wada illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。『サイコ』や『鳥』、『めまい』を代表作に、20世紀の映画史に名を刻んだ映画監督、アルフレッド・ヒッチコック。緻密な演出と斬新な映像術で、後世の映画にも大きな影響を与えた名匠が語る、観客を魅了する映画とは。
つまり、いきつくところはサスペンスなんだよ。
通称、“サスペンスの帝王”。生涯で53本もの長編映画を制作し、そのほとんどをサスペンスに仕立てたアルフレッド・ヒッチコック。サスペンス・スリラーの金字塔『サイコ』や、動物パニック映画の原点『鳥』など、ユーモアと恐怖に満ちた作品の数々は、さまざまな映画ジャンルのルーツとして今もなお根強い人気を誇る。「死や犯罪が関わらないヒッチコック作品はない」と称されるほどサスペンスにこだわったヒッチコック。フランスの映画監督、フランソワ・トリュフォーとの対談を記した『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』では、サスペンスの持つ魔力についてこう語っている。
「観客の不安をかきたてるようなシチュエーションのサスペンスにしろ、あるいは、観客がドキドキしながら『つぎは何が起こるんだろう』と自問自答せずにはいられないようなサスペンスにしろ、いずれにせよ、サスペンスは観客の注意をひきとめる最も強力な手段だからね」
緊迫したシーンを生むため、さまざまな映像術を編み出したヒッチコック。カメラワークからセットの配置、役者の演技まで、映像に映る全てのものに対して一切の妥協を許さなかった。しかし、何よりも大切にしたのは人間の感情。「映画づくりというのは、まず第一にエモーションをつくりだすこと、そして第二にそのエモーションを最後まで失わずに持続するということにつきる」と語るように、ヒッチコックにとって映画とは感情を引き出す装置そのものだった。猟奇的でありながら、人間の心情がまざまざと映し出されるヒッチコック作品。サスペンスは、恐怖、驚き、愛情などあらゆる感情を描くことができる最高の表現方法だったのだろう。
通称、“サスペンスの帝王”。生涯で53本もの長編映画を制作し、そのほとんどをサスペンスに仕立てたアルフレッド・ヒッチコック。サスペンス・スリラーの金字塔『サイコ』や、動物パニック映画の原点『鳥』など、ユーモアと恐怖に満ちた作品の数々は、さまざまな映画ジャンルのルーツとして今もなお根強い人気を誇る。「死や犯罪が関わらないヒッチコック作品はない」と称されるほどサスペンスにこだわったヒッチコック。フランスの映画監督、フランソワ・トリュフォーとの対談を記した『定本 映画術 ヒッチコック/トリュフォー』では、サスペンスの持つ魔力についてこう語っている。
「観客の不安をかきたてるようなシチュエーションのサスペンスにしろ、あるいは、観客がドキドキしながら『つぎは何が起こるんだろう』と自問自答せずにはいられないようなサスペンスにしろ、いずれにせよ、サスペンスは観客の注意をひきとめる最も強力な手段だからね」
緊迫したシーンを生むため、さまざまな映像術を編み出したヒッチコック。カメラワークからセットの配置、役者の演技まで、映像に映る全てのものに対して一切の妥協を許さなかった。しかし、何よりも大切にしたのは人間の感情。「映画づくりというのは、まず第一にエモーションをつくりだすこと、そして第二にそのエモーションを最後まで失わずに持続するということにつきる」と語るように、ヒッチコックにとって映画とは感情を引き出す装置そのものだった。猟奇的でありながら、人間の心情がまざまざと映し出されるヒッチコック作品。サスペンスは、恐怖、驚き、愛情などあらゆる感情を描くことができる最高の表現方法だったのだろう。
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