ART
アラーキーが新作1,000点で魅せる『荒木経惟 写狂老人A』。
July 15, 2017 | Art | casabrutus.com | photo_Ayumi Yamamoto text_Mariko Uramoto editor_Keiko Kusano
77歳を迎えてなお、多彩に、精力的に活動を続ける写真家がいる。荒木経惟だ。今夏はその勢いに拍車がかかり、美術館やギャラリーで個展がひっきりなしに続く。
数ある展覧会の中でも核となるのが〈東京オペラシティ アートギャラリー〉で開催中の『荒木経惟 写狂老人A』。1,000点以上に及ぶ新作で構成する本展は、壮大なスケールで荒木の現在進行形を提示する。本人の解説と合わせて各セクションの見どころを紹介する。
《大光画》
第一展示室で待ち受けているのは、縦1,400×横1,000mmの大画面に収められた女性のヌード50点だ。会場の両サイドを絵巻物のように覆い、その圧倒的な迫力で鑑賞者を取り囲む。ここに写っているのは荒木が『週刊大衆』で連載している「人妻エロス」へ応募してきた人妻たち。荒木の真正面に立ち、ファインダーをじっと見つめる女性のありのままの姿が写し出されている。
「今の僕が考える“女の裸”とはまさにこの《大光画》だよ。女のたくましさ、凄さ、繊細さ、全部が詰まっている。みんな肉体をさらけ出して、『裸を見せちゃうのなんて平気』って顔をしているけど、その一方で『腹をへこませなきゃ』っていう女心ものぞかせていて、その微妙な気持ちも僕の写真には出ちゃうんだよね」
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